守田敏也さん講演録 ⑧ 食べ物の安全について伝えるために

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《 市民放射能測定所にやっていってほしいこと その2。
〜食の安全全般を目指すセンターに〜 》

もうひとつは、総会資料中の「一年間やってきたこと」の中に、すでにこれから述べる領域がいっぱいあるのですが、ぜひ、食の安全全般を目ざすセンターへと測定所を飛躍させていって欲しいですね。ここに紹介されていた「天然・自然農法の高島さん※との交流」など、とてもいいなあと思うのですが、こういう経験を測定に来られた方と共有することが、僕はとても大切だと思うのです。

※高島佐和さん。奈良市北部にて「田原ナチュラルファーム」を経営、農薬を使わない自然農法を実践。奈良・市民放射能測定所のスタッフ。

【肥満と貧困についての講演活動から〜】

最近、子どもたちを相手に行っている講演の内容についてお話ししたいと思います。スライドをお見せしますが、タイトルに「食べものと健康の話 ―何を食べてはいけないか ゲキ太りする世界を考える」とつけています。福島や関東から子どもたちを招いた保養キャンプで話したことが出発点となったものです。
初めに「世界の主な国の肥満率」の話をするのですが、みなさんはこのことをご存知ですか?子どもたちが相手なので、「世界の主な国」と言っていますが、OECD(Organization for Economic Cooperation and Development, 経済協力開発機構)加盟国のことです。

2012年の統計で、世界で一番太っていた国がどこだかわかりますか?肥満の人が多い国。答えはわりと簡単だと思うのですが・・・。そうです、アメリカです。
ところが、今やアメリカは2位になりました。1位はどこでしょう。

「インド」。

違います。ヒントはTPPです。

「メキシコ」。

ピンポーン、正解です。
なぜかというと、ヒントはTPPといいましたが、TPPのような条約で一番最初にできたのは、NAFTAです。(North American Free Trade Agreement, 北米自由貿易協定)1994年にカナダとアメリカとメキシコで結ばれた自由貿易協定です。

その結果どういうことが起こったのかというと、アメリカの安い農産物が洪水のようにメキシコに入ってきて、メキシコの小さな農家が軒並み潰れていきました。その農家が潰れていった地域に、アメリカのジャンクフードが大々的に押し寄せていったのです。恐ろしいことに貧困と肥満がセットで押し寄せたのですね。その典型がメキシコになってしまったのです。
もう一度OECDをみると、平均で国民のうち16%が危険な肥満領域にあります。アメリカは34%。
逆に、OECDの中で一番スリムな国はどこなのかというと、実は日本なのです。二番が韓国です。
この要因をどうとらえるのかについては、いろいろな分析が必要です。日本では肥満としては表現されない他の問題もあることを押さえていかなくてはならないのですけれども、それでもざっくり言うと、やはり海産物とか、穀物や野菜を主体にしている日本の食べ方のほうが体にいいと言えるのではないかと僕は思っています。ところがそのいい食事もどんどん崩れていきつつあるのが今の状況です。
アメリカに話を戻すと、アメリカは肥満の人だけではなくて、肥満予備軍に分類される人を加えると、もう7割くらいの人が健康な状態にないことが分かっています。しかも貧困な人のほうが肥満率が高くて、アメリカ黒人女性は今、肥満率5です。さらに3が肥満予備軍です。健康な身体を維持できている人は2割しかいないのです。どんどん太ってしまって、命の危険にすらさらされているような状態です。
WHOの2013年の世界各国の肥満に関する発表を見ると、1位アメリカ、2位メキシコに続いてシリア、ベネズエラ、トリニダード・トバゴ、イラク、トルコ、チリなどが続いています。OECD加盟国でない国がたくさん出てきます。それでもアメリカとメキシコは飛びぬけていて、世界の1位と2位にあります。
OECDで3番目に太っているイギリスは(OECD非加盟国を含めた統計では)やっと19位で出てきますね。
全体としてより貧しい国のほうがどんどん肥満率が上がっている。今や肥満は金持ちになるとなるものなのではないのですよ。むしろ、金持ちになればお金をかけてダイエットをしたり、より身体に良いものを食べるとかして、むしろ肥満率が下がっていく傾向にあります。

子どもたちに見せている怖い写真をお見せします。病的に太ってしまった人たちの写真です。極度に肥満して自力で移動できなくなり、小さなカートのようなものに乗っている男性の写真などがありますが、実はこれでもまだ、穏やかな写真を持ってきているのですよ。正視に耐えない写真もいっぱいあります。
当然これだけ太っていると心臓に大きな負担がかかりますから、アメリカでは心臓病で倒れる人が激増しています。心臓病で倒れた人のところに、救急車が来る。そうすると救急隊員がその場で唖然とする。なぜかと言うと建物から出せないのです。体重がどのくらいあるのかというと450キロもあったなどということがあった。

最近では救急隊もだんだん学習を深めてきていて、どうもかなりの肥満の人が倒れたらしいというときは、救急車の後ろからクレーン車がついていくのだそうです。アメリカの家は構造が簡単なものが多いので、上から屋根を取って、ベッドごと吊り出して病院に運んだのだそうです。そんなことが増えています。

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