市川章人さん講演録連載第7回・(続)新規制基準検証・EUの標準装備を要求していない

こんにちは。

台風が奈良県にも接近し、今日は臨時閉所させていただいています。
ツキイチ・カフェも中止になってしまいました。。
私もとても残念です。
私のいる奈良県中南部でも、今 激しい音とともに
視界が白くぼやけるほどの雨が降っています。
夕方にはさらに激しくなるようです、
どうぞお気をつけください。

さて。こんな日はお勉強を粛々とやるしかないっしょ。
てわけで市川先生講演録!
今回は、
世界一安全という。。。日本の「新規制基準」では。。。
EUでは標準装備されているいくつもの装置が
「つけなくていい」ということになっている、という
お話です。(白目)
その装置とはいったい何?それがないならどうするの?
第7回、どうぞ。

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それから、新規制基準はヨーロッパの先進的な対策を採用していません。
実は、過酷事故対策というのは3.11までは日本では
設定されていませんでした。
国際的な五つの対策、これは「深層防護」と呼ばれていますが、
そのうち三つまでしか採用していなかった。
四つめが過酷事故対策です。
これは福島事故のあと設けざるを得ないということで、
非常に不十分なかたちで作られました。

一点は、ヨーロッパでは標準装備にされている「コアキャッチャー」と
いうものをつけておりません。コア、つまり燃料が溶けた場合ですね、
これを一気に下に落として広げて、効果的に冷やすという仕組みです。
つまり過酷事故が起きた後の進展を止める装置ですね。
これがない。
これは漏れますとですね、コンクリートに直接落ちた場合には
化学反応で水素を発生します。一酸化炭素もできるんですけども。
こうなりますと、水素爆発の危険も生じるわけですね。
こういうことを阻止するための、耐熱性の広い受け皿が
コアキャッチャーなんです。これをつけない。

もう一点は、格納容器の二重化です。
テロ対策とか航空機衝突への対応なんですが、
これも日本にはありません。ではどうするのか。
要するに、人力で必死で止めろ、というわけです。
失敗するに決まっていますね。
これが日本の過酷事故対策です。

実は昨年の11月、高浜の再稼働について京都の北部の市町で
説明会がありました。
この説明会にどうやって臨もうかという相談を受けて、私も
いろんな人とやりとりしました。
そのときに問題のひとつとしてコアキャッチャーのことは
絶対に追及しなければならないとして、やったんです。
そしたら「いや、コアキャッチャーに代わる設備があります」と
答えてきました。当然みなさん、準備をしておりませんでしたから
どうにもならなかったんですが、これが何なのかはぜひ知っておく
必要がある。
何かと思ったら「キャビティ」という言葉を出してきた。
キャビティというのは英語ですが、原子炉圧力容器の下にあるくぼみ、
下部空洞のことです。ここに水を張って、溶け落ちてきた燃料を
受け止めます、という。だからコアキャッチャーと同じ役目を
果たせるんだと言い出したんです。
ところがですね、これはおかしな話でね。
まず、水を張ってるところにドーンと高温のものが落ちてきたら
何が起きるだろうか、と。一気に水蒸気が発生しますね。
いわゆる水蒸気爆発です。
これに関しては、実はヨーロッパ、アメリカ、ロシアは規制基準で
禁止をしています。このやり方は危ないので。
それから仮に水蒸気爆発を起こさないとしましても、どういうときに
キャビティに落とすのかというと、電源がすべて止まって、とにかく、
手動で水を流し入れなくてはならない事態のときです。
その判断がちゃんとできるのかどうか。
それから水を流し入れて一気に水が落ちるのかというと落ちないんです。
非常に細い隙間から流していくんですね。
そこにもし何か詰まっていたとしたらうまくいきません。
じゅうぶんな水を張る前に燃料が落ちてしまうということも
あり得るんですね。
そういう意味では、事故対応としてはまったく信用できない、
という状況です。

もう一点は、水素爆発の問題です。
水素が発生した場合にある一定の濃度になると、酸素と結合して
爆発するんですね。そこで電力会社が言い出したのは、
「水素の濃度が高まる前に燃やす装置があります」と。
これが「イグナイタ」と呼ばれるものです。これを13台つけたと。
これは電気式の点火装置です。これで事前に燃やすんだと。
ところがこの格納容器の中というのは、ものすごく大きいんですね。
しかも、いろんなものが混じっていて非常に複雑な仕組みになって
いるので、水素濃度にはムラがあるはずですね。
こういうところで間違えて点火したらどうなるのか。
当然水素爆発の引き金となってしまう。
そういう点では、非常に危険な綱渡りのようなことしか考えていない、
というのが電力会社のやり方です。
つまり、金をかけなくていいものしか取り付けなくて、しかもそれが危ない。
実は、沸騰水型の原子炉には窒素が詰めてあります。
酸素を排除するためです。
ところが加圧水型原子炉は単なる空気です。
爆発を避けるために、せめて窒素を詰めればいいと思うんですが、
やってない。
このあたりでも問題。

国際原子力機関、IAEA。
これは原発推進の国際組織ですから私はあまり好きではないんですが、
ここでさえ、「深層防護」いわゆる多重防護を5層設けています。
1から3は日本でもすでにやっているので説明しませんが、
4層めが過酷事故が起きた場合にその拡大を止めるための対策ですね。
5層めが、いわゆる住民の避難計画に実効性があるかどうかと
いうことです。これらが全部成り立っていないとだめだ、というのが
国際的な水準です。この4層、5層をちゃんとしていなかった。
5層に関しては、一応ガイドラインを作りました。
かなりひどいものです。
しかし、国が責任を持って実効性があるかどうかを確かめる気は
一切ありません。そういうレベルですから、避難計画があろうが
なかろうが動かします、ということなんですね。
ところがアメリカでは、ニューヨーク州ショーラム原発は1984年に
完成していたんですが、住民の避難計画の実効性が問題となります。
やっぱりだめだということで、89年に廃炉が決定しました。
しょっちゅうアメリカの言いなりになる日本が、なんでこういう
ことは見習わないのか。いつも不思議に思っています。

もう一点は、モニタリングポスト。
いわゆる放射性物質が漏れ出たときに測定する装置の整備をしておりません。
川内原発のモニタリングポストは、48台あるうちの22台は
80μSv/hまでしか測れない。移動式のものでも、40台のうち30台は
100μSv/hまで。非常に多数のものが、必要な量を測れない。
避難が必要になる、その他の判断基準は1時間あたり500μSvというのと、
1時間あたり20μSvと、二つあります。500ならば即避難。
この値を測れないですね。
京都の場合は31台のうち14台、
滋賀県15台のうち9台、
兵庫県6台のうち6台、
大阪府21台のうち6台が、1時間当たり10μSvまでしか測れません。
奈良県はどうなのか。これは後で見ますけれど。

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第7回、ここまでです。
今回少し長かったですが、一気にEUおよびアメリカ、ロシアの
装備との比較についてお届けしました。

原発の実際の装置のことがわかると、
危機感覚が具体的で現実的になります。
もやっと怖い、のでなく、
「こういうものなので、危険なんだ」と冷静かつ
確固とした気持ちを持てます。
そうするとますます、原発に対する自らの立ち位置というか
考え方が揺るがなくなる。行動にもつなげられるかも。
例えば、「超やばい。。まわりに知らせたい」と私はなってます。

次回、第8回。
【4プレートがぶつかる日本列島】
日本列島が置かれている、地震の危険についてのお話です。

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