市川章人さん講演録連載第12回   幻想・核燃料サイクルにしがみつく日本

こんにちは。
前回に引き続き 市川章人さん講演録をお届けします。
今日は 核燃料サイクルの破綻について。
今 まさに、「もんじゅ」廃炉が大きな話題となっていますね。
改めて 核燃料サイクルや 使用済み核燃料再処理について
ご一緒に確かめていきましょう。


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2.核燃料サイクルの破綻幻想・核燃料サイクルにしがみつく日本

使用済み核燃料と放射性廃棄物処理の深刻化




新規制基準に沿ってやればますます危険なんですが、
さらに問題があります。
日本は今、再稼働に必死になっていますが、日本の核燃料サイクル、
原発政策そのものというのは完全に破綻しています。
八方ふさがりです。
本来、ウラン燃料というのは有限ですね。
世界中のウラン燃料を今と同じように使っていたら、100年くらいで
枯渇する。そこでですね、ウラン燃料を核分裂させるときにできる
プルトニウムを取り出して、それで運転するようにすれば1000年くらい
持つだろうということを机上計算でやってる。
日本はこれに飛びついたわけです。
原子炉でウラン燃料を燃やして処理をして、燃料工場で
ウラン・プルトニウム混合燃料を作る。
それを高速増殖炉に使ってどんどん発電を繰り返そうと。
それが核燃料サイクル。

ところが、原発が事故を起こしますね。
それから、もんじゅ。
これが実験段階でどうにもなりません。
その他必要な施設が、まだ計画もできてない。
そしてせっかく建てた六ヶ所村の使用済燃料再処理工場。
建てたけれども未だに本格稼働できない。
使用済燃料を持っていくはずのところがどうにもならないから、
使用済み燃料が原発に満杯になってくる。
それで溜めるところが必要だというので、中間貯蔵施設というのが
出てきている。これは計画中です。
東電はすでに青森県六ヶ所村に中間貯蔵施設を作りました。
関電は計画中です。
この計画を京都では、京都には作らせないという戦いをやりました。

溜まってくるプルトニウムを燃やさないで溜めていくと、
国際的に批判を浴びます。
それで、プルサーマルといういわば一時しのぎを始めたんですね。
プルサーマルで使った燃料をどうするのか。これもまたどうにもなりません。

つまり、何をやってもどうにもならないという事態にまで追い込まれている。
それでもやるという、この発想はいったいどこにあるんだろうと思いますね。
これが安倍内閣のやっていることです。

青森県六ヶ所村の使用済核燃料再処理工場には、三重の危険があります。
原発より危ないんです、実は。
とんでもない廃棄物でいっぱいです。
特に、空気中に出す廃棄物。普段原発は漏らしません。
六ヶ所村の再処理工場からは1日で原発稼働1年分の
気体の放射性物質を漏らしています。
気体はすべて放出し、液体状の廃棄物は、
だいたい4、5km先まで海中パイプを伸ばして沖に流しています。
そこを大間のマグロが泳ぐんです。こういう状態です。

「もんじゅ」も事故を起こしましたね。
1995年12月8日、冷却材のナトリウムが700kg漏れた。
ナトリウムっていうのは私も化学実験で生徒の前でやりました。
水と反応したらすぐに爆発します。恐ろしいです。
これを大量に漏らした。こういうものを冷却材に使っているんですね。

「もんじゅ」は理論的にはもうだめだ、っていうことを
知っておいていただきたいと思います。
まず、高速増殖という、言わばプルトニウムをどんどん
作り出していくわけですが、そのとき、もとの燃料の
プルトニウムに対して新たにできるものは1.2倍となります。
0.2増えるわけです。
機械的には、0.2を5回繰り返すと1なので、
原発1基分の必要な量の燃料ができるということになる。
それで、新しく高速増殖炉を動かせるわけです。
それにどのくらいの年数がかかるかということですが、
高速増殖炉サイクルを回すのにはものすごく時間がかかります。
ものすごく、いろんな過程がある。
1基分溜めるまでに、90年かかります。
電気事業連合会は、複数の高速増殖炉で46年かかるという。
その間に全部劣化します。
こんな計画がまともに進むと思いますか?

理論的にも高速増殖というのは破綻しています。
高速というのは別に、速いスピードの中性子を使う、という
だけであって、増殖はむちゃくちゃゆっくりなんです。
だから、どうにもならないということですが、
運転する主体もずさんすぎる。
今動かせなくなっています。
動かせないのに税金はバンバン使ってます。
1日に維持費だけで5500万円。
本当にね、被災者の支援に使ったらどれほど助かるかと思うんですが。


使用済み核燃料を、どこまで溜められるかということについて。
政府の資料でグラフを作りました。
それぞれの原発がどれだけ溜められるか、量をトンで表しているんですが。
これが、今ここまで詰まっている。
あと何年持つかなんですが、エネルギー資源庁がやった計算ですが、
甘いんですね。
東京電力関係は、事故がなくても3年以内にアウト。
従って、彼らは使用済み核燃料を溜める場所を六ヶ所村に作ったんですね。
関西電力は7年前後でいっぱいです。
関電は今、必死です。
早くしないと、再稼働したあとどうにもならない。

冷却プールである程度冷やしたやつを取り出して、
自然対流を使って空冷式でやろうというわけですね。
キャスクというのに燃料を詰め込んで、立てておく。
温かい空気が上を通って逃げていき、
入ってくる空気で冷やすというものなんです。

これも、恐ろしい量を溜めます。
貯蔵は50年に限定すると言いますが、こんなものが50年で
本当に終わるんでしょうか。
中間貯蔵というが、50年です。
そんな長期を普通、中間と言うでしょうか。
これも次の貯蔵施設ができなかったら、
そのまま続けることになる可能性があります。


使用済み核燃料を再処理したあとの、高レベル放射性廃棄物。
これは日本に現にたくさんありますね。
フランス、イギリスに依頼して処理されてきたものです。
これはご存知のように、まあ大丈夫だろうという状態になるのに
十万年かかります。まったく問題がなくなるまでには一千万年以上かかる。

こういうものを抱えて、どこに置くのか。
地下に埋める、と言っているんですが地下に埋めるまでに30年か50年
冷やし続けないと危ない。
放射線量が高いですから。人が近づいたら、作った直後は即死ですね。

こういうところに入れる、とずっとコマーシャルをやってました。
地下数百メートル。
こういうのを作るんで、どっか手を挙げろ、と公募方式でやってきましたが、
今は応じる自治体はありません。
そこで昨年から、押し付け方式に変わりました。
科学的有望地というのを政府が決めるから、そちらはどうですか、という話を
2015年から秘密にやってきた。
今のところ多数の自治体は断っています。
みんな、断ってほしいと思います。

それで、どうするのかと。これはまだ研究しなければならない。
少なくとも、日本の場合は地下に埋めるのは絶対だめだということですね。
日本学術会議でさえも批判を始めたんです。
地下に埋めて十万年持つ、などということはありえない。
安定した地層でもありませんから。
だから地上で管理をするほかないんですが、非常に危ない。
でも、相対的にましな方を考えなければならない。
これから、この問題が出てきます。
原発を止めたあと、我々は国民的な議論をする必要がある。

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第12回終わります。
次回第13回、来週更新を引き続きよろしくお願いいたします。

「原子力災害対策指針」、原発事故の避難計画についてです。

ではお元気で。。。

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