川根眞也さん講演録文字起こし〈第4回〉 学校給食の牛乳

僕が学校給食で牛乳を飲むのをやめたわけ

私は学校給食の牛乳を飲むのをやめたんですが、
これはそのわけが載った新聞です。
2011年5月19日、朝日新聞夕刊です。
夕刊の1面があって、
ぺらっとめくった2面のこちら側のほうに色がついていたので
目に入ったのです。
この記事を見て私はほんとうに激怒しました。何に怒ったのか。
まず、日付です。5月19日付。


(※記事本文は末尾に載せています)

なんの記事かというと、ピンク色に塗られた16都県で牧草を検査したと。
すると、赤いポチポチのついた地域からは汚染牧草が出た。
この汚染牧草は、1年間刈ったまま捨ててもいけない、焼いてもいけない。
1年間保管しろという指示を農林水産省が出したんです。
これをほんとに守るんですかね。一切補償がないんですよ。
で、通知を出したのが4月下旬なんですよ。
じゃあこの牛からとれた牛乳を 5月上旬に私が学校給食で飲んだ分は、
安全なんですか?
ダメだったと思いますよ。

また、このことを載せたのは朝日だけだったと思います。
読売も毎日も東京も載せてない。
4月下旬に通知を出してからも2週間、政府と各地域の自治体は、
平気でこの牛乳を子供たちに学校給食で飲ませ続けたんです。
この国はもうダメだなと私は思いました。

もうひとつ。
牧草だけが汚染されるということはあるんですか?
その地元の野菜はどうなんですか?
平飼いの鶏が餌を食べて、その卵、鶏肉は大丈夫なんですか。
ダメに決まってるじゃないですか。
そんなものを平気で流通させているわけですよ。
「牧草の検査対象の16都県(ピンク)のうち、
基準を超える結果が出た8県(赤い水玉)」。
その8県とは、
岩手・宮城・福島・茨城・栃木・千葉・群馬、
そして私の住んでいる埼玉です。
私は、少なくともこの8県の食材は学校給食で出すべきではないと、
どこでも言っています。

※〈朝日新聞2011年5月19日夕刊記事〉
『東京電力福島第一原発の事故を受け、放射能に汚染された
牧草を早期に刈り取り、その後に生えてくる牧草を牛のえさに
したり、放牧に使ったりするよう指導する方針を、農林水産省が
決めた。刈り取った草は、放射性物質の拡散を招く焼却や埋却を
避け、まとめて牧場そばに保管するよう求める。
農水省は、放射能汚染された牧草を食べた牛の原乳や肉から
基準以上の放射性物質が検出されることを防ぐため、利用できる
牧草の基準を4月中旬に設定。牧草の汚染が疑われる東北・関東
などの16都県に調査を依頼した。18日までの各県の検査結果
では、岩手から千葉までの8県で基準を超えた。
基準を超えた地域は放牧や牧草を牛に与えることをやめ、輸入
飼料などを使っている。だが、現在生えている牧草をどうする
かが問題になっていた。
農水省は刈り取りが可能な高さ(30センチ程度)まで育った
牧草はなるべく早期に刈り取るよう求める。一部は乳牛や
肉牛用でない繁殖用の牛などに与えることを認め、残った大半の
牧草は円筒形にまとめて発酵や乾燥させ、当面保管するよう
指導する。
現在の汚染の主な原因は3月中旬の原発水素爆発と農水省は
みている。大気中の検査結果などから、原発近辺を除いて
最近の汚染はひどくないとしており、刈り取り後に生える
「二番草」を牛に与えることは可能と考えている。ただ、
利用前に検査で安全性を確認することを求める考えで、
近くこうした内容の通知を各都県に出す。(大谷聡)

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(第4回終わり)

次回は放射能の単位について。
なんといっても川根先生は
実は中学校の理科の教員の方なのでした!!
がっつりいきますぜ、
よろしくお付き合いください。

ここから下は読み飛ばしてください。失礼。↓
川根先生の怒り、そして迷いなく給食牛乳と
給食そのものを食べるのを止められたことから
私自身のことを思い、また、思い出しました。

もし私の住んでいる地域で
こどもの学校給食で 同じことが起きたとしたら。
どないしてくれんねん、何やってくれとんねん!!と
激しく怒り、ストレスで頭がくらくらして
こどもも、自分も
放射性物質を多分 確実に取り込んでしまっているという事実に
打ちのめされるでしょう。
そして世の中に対する失望で
足元が崩れていくような気持ちになるでしょう。

そして、この状況から救われるにはいったい
どうすればいいのかを真剣に考え始めると思います。
騒ぐ。誰かに言う→ドン引きあるいはそーっと引かれていく不安
自分のこどもだけでも守ろうと、給食食べなくていいと言い渡す。
黙る。見ないふりをする。
よくわからないので考えない。

私のこの想像は、多分 関東に住んでいた・住んでいるお母さんたちと
そんなに変わらないのではと思います。
みなさんの気持ちの強さはまったく比べものになどならないくらい
差し迫って。当然。

実際に、川根先生がこの記事を読んで激怒されていたころに
私は奈良県で息子の中学の給食に直面していました。

春休み中のことでした。。
私が選んだ方法は、
自分で文章を作って
汚染された地域の食材を給食に使わないでほしいこと
食べたら本当に危ないことを
できるだけ短く書いて。
大昔にわずかな 細い細いつながりのあったPTA役員さんに電話して
校長先生と本部役員さんに話をさせてほしい、と
頼んだことでした。
それからこれまた細いつながりのあった小学校の校長先生に
面談させてもらって 話を聞いていただきました。
どちらも ものすごくきつかった、
自分が困った変な人間になったような気がして
今でもその感触は取れていません。
みなさんいい方でした、誠意を持って対応してくださいました。
ある方は 自分は実は 仕事で汚染地域に行っている、と
打ち明けて下さいました。
でもみんな、わからなかったし真剣に考えようとはせず、
私をなだめて黙らせようとした。
だいじょうぶだし、我々には実際何もできないんですよ、と
お母さん心配しないで、と私を説得しました。
小学校の校長先生は私に「PTA会長に立候補しはったら?」と
おっしゃいました。
意地悪や皮肉ではなく、有効と思われる手段として。
それはできませんでしたが給食委員長になり、
あとは省略します。

長くてすみませんでした。

人格を芯から揺るがすような
激怒と絶望に値することが起こり、
そこから本当に救われるには
逃げるか向き合うかしかないような気がします。
いろんな条件で 個人がどうするかは決まっていきますが
もう頼むからこんな事態になってほしくないです。

スタッフ・ふた

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