川根眞也さん講演録文字起こし〈第7回〉本の紹介

こんにちは。
蒸し暑い午後。。
たまには図書館へ涼みに行くのもいいかもしれませんね。
今日ご紹介の本が所蔵されていたらいいですね!
では第7回です、どうぞ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こちらの本をご紹介します。
ちょっと難しいので 1 人で読むのは厳しいかもしれませんが。

●『放射線被ばくによる健康影響とリスク評価』
欧州放射線リスク委員会(ECRR)編
明石書店
2011 年 11 月 30 日
2800 円

欧州放射線リスク委員会(ECRR)は
ヨーロッパの独立の科学者たちです。
ECRR が、ICRP の放射線防護理論は間違っている、
住民を放射線から守る防護理論になっていないと批判しています。
ECRR は、ICRPの放射線防護理論は少なくとも 300 倍から
ウランやプルトニウムの場合 1000 倍も間違っていると言って
います。
0.01 ミリシーベルトを 300 倍したら 3 ミリシーベルトですね。
つまり、4350 ベクレル/ kg の牛肉を 1回食べたら
0.01 ミリシーベルトと政府は言っていますが、
実は 3 ミリシーベルト/時被ばくすることになるかもしれない
ということです。

1000 倍間違っている、とは何か?
それは、ウランとかプルトニウムを評価する場合です。
ウランとかプルトニウムに対する ICRP の評価は非常に低いんです。
過小評価です。

今日、一冊の本を持ってきました。
●『ヒバクシャになったイラク帰還兵─劣化ウラン弾の被害を告発する』

佐藤真紀著、JIM − NET 協力
大月書店
2006 年 8 月 4 日
1400 円

JIM − NET とは鎌田實さんが代表をされている
『日本イラク医療支援ネットワーク』という団体です。
今、IS 国に支配されたり占領されている地域である
シリア、イランといったところには
白血病の子供たちがたくさん出ています。
小児ガンの子供たちも出ています。
そういった子供たちに、薬や治療など医療支援をやっている
グループです。

この本に出てくるジョン・マシューさん。
彼は湾岸戦争のあとイラクに入っています。
アメリカは湾岸戦争のときに劣化ウラン弾を
イラクのファルージャなどで使いました。
劣化ウラン弾とは何か。
ウランというのは天然の、自然界の中で最も重い、
正確に言うと密度が大きい物質です。
だから普通の、鉄を中心とする金属でできた砲弾が
戦車にぶつかっても、今の戦車は鋼鉄製ですから
へこむくらいでなかなか壊すことはできない。
ところがウランは最も密度が高いので、
鋼鉄製の戦車の甲板を貫通して、
そしてまた燃えやすいので戦車の中でボーッと燃えます。
そうやって中の兵士を焼き殺す。
そういったことができます。
劣化ウラン弾の弾頭には
最初はプルトニウムを抽出するために作られた残りを
使っていたようですけれども、
最近では原発の使用済み核燃料が
劣化ウラン弾の中に入っています。
原発の使用済み核燃料は世界中で処分に困っています。
最終処分場がない。アメリカにもありません。
スウェーデンやフィンランドが候補地を作ったくらいです。
そこで核産業は考えた。
使用済み核燃料を兵器の材料としてアメリカ国防省に売り込めば
使用済み核燃料の在庫がなくなります。
一石二鳥です。
国防総省はそのあとどんな健康被害が起きるかを考えることなしに、
この劣化ウランを砲弾の弾頭に入れました。

ロシアが巡航ミサイルをシリアに撃ち込みました。
あの巡航ミサイルも実は劣化ウラン弾である可能性があります。
「非常に強力な爆弾だ」という報道だけがされましたけれど。
いわゆる IS の拠点が地下にあった場合、
この劣化ウランを使った弾は
地下のコンクリート製のシェルターまで貫通するぐらいの威力がある。
「強力なミサイル」というのは実は劣化ウラン弾かもしれない、
ということを覚えておいてください。

そしてこのジョン・マシューさんは
湾岸戦争に従軍したわけではなく、
そのあとに残った戦車や武器の後片付けに携わった方です。
彼が従軍したのは、2000 年代です。
後片付けをした彼は頭が痛くなり、
皮膚にブツブツの疾患ができました。
彼がアメリカに戻って奥さんとの間につくったビクトリアちゃん。
その子には指が二本しかありません。
なぜか。
ウランの残りがイラクの砂漠の砂に混じっている、
それを彼が吸ったことによる内部被ばくです。
そして彼が知らない間に軍服につけて
アメリカの自宅に持ち込んだ砂ぼこり。
これが胎児の奇形を誘発したのです。

そのくらい、
ウランやプルトニウムを吸い込むということは本当に危険です。
ICRP の言っている放射線防護理論はまったく成り立っていません。
彼らは何ミリシーベルトの被ばくで胎児に奇形が起きる、なんて
いう言い方をしています。
ウランとかプルトニウムとかではわからないくらいの
小さなほこりを吸い込んだだけでも奇形を引き起こします。

私の身の回りでも、
南相馬であるとか福島のほうに被災地の応援に入られた方がいます。
本当にリスクがあるということを承知で入られるんなら
いいと思いますが。リスクはあります。
私は、南相馬はプルトニウム汚染だと思っています。

2011 年当時、
福島市や郡山市の空間線量は高かったんですが、
枝野幸男幹事長は普通の防災服で入ってます。
マスクもつけてません。
ところが南相馬市に入るときはフルフェイスマスクです。
白い防護服を着てマスクつけて。
呼吸器が三つついているものです。
手袋をして、袖口はぐるぐるテーピングして、
そういう姿で南相馬市を訪問しているんですね。
現地の方は作業服にマスクをしただけで普通に顔を出して
握手していますが。

プルトニウムに汚染された場所に行くというのは本当に危険です。
野呂さんは、チェルノブイリで 1986年、87 年、88 年と、
原発事故から 1、2、3 年以内に入った科学者の何人とも
会っていました。
今年 31 年目ですが、
彼らはほとんど亡くなっていると言われています。
20 代、30 代の若手の研究者も 40、50 歳で亡くなってます。
それが、原発事故の周辺に行くということです。
今回の震災は、原発震災です。
津波による震災ではない。
それが今までの日本の震災とはまったく違うところであり、
被災地の応援もほんとうに困難を極めていると思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(第7回終わり)
『ヒバクシャになったイラク帰還兵』については
いくつも辛いポイントのある本です。
遠い外国で任務を終えてやっと平和な我が家に帰れて、
家族で暮らせるようになったのに
なんということが起きたのか。
この本は2006年の発行だから
このような悲劇が起きて おそらくもう10年20年?
そして今も悲劇はまったく終わっていないこと。
今も日本でも原発が稼働していて、使用済み核燃料が
たまっていること。

日本にも世界中にも
この問題に目を向けている人々がいます。
私自身も目をそらすことはできません。

次回 第8回は
川根さんの働く中学校の近くで
川根さんがみつけた奇形ネコジャラシについて。
引き続き どうぞよろしくお願いいたします。

スタッフ・ふた

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中