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川根眞也さん講演録〈第12回〉避難区域の変遷について。日本とチェルノブイリとのとの比較も

避難区域の変遷について


「帰還困難区域」とは、年間 50 ミリシーベルト超えの地域です。
これはさすがに政府も避難指示解除してませんが。

「居住制限区域」とは。
年間 20 ミリシーベルト超えで、50 ミリシーベルト以下の地域です。
そして「避難指示解除準備区域」とは、
年間 20 ミリシーベルト以下のところです。
「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」、
これはいずれ 20 ミリシーベルト以下になるだろうという
ことで両方とも避難指示解除にしています。

ここで問題です。
年間 20 ミリシーベルトとは、
空間線量にすると何マイクロシーベルト/時でしょう?
10 秒でお答え下さい。

これは、計算しなくても実は報道された数字です。
3.8 マイクロシーベルト/時です。
3.8 マイクロシーベルト/時という数字が
どのくらい異常な数字なのか、感覚的にはわかりますか。
おかしいです、はっきり言って。

2011年に私が福島に行ったとき、
空間線量は 0.4 か 0.5 マイクロシーベルト/時でした。
木の根元に置くと、1 とか 2 マイクロシーベルト/時いきますが、
福島市でも 3 はありませんでした。
もっとも、飯舘村では 30 とか 40 マイクロシーベルト/時ありましたが。

私は鮮明に覚えています。
2011年4月20日。
学校の校庭を何マイクロシーベルト/時までなら
開放して使っていいかを文科省が決めて、指示を出しました。
そのときに、文科省は
年間 20 ミリシーベルトまでは大丈夫だと言い切って、
政府の参与だった小佐古敏荘という人が涙の抗議をしました。
「私は子供に 20ミリシーベルトを強要することはできない」
と言って辞任しました。
そのときの校庭の開放基準がこれ。
3.8 マイクロシーベルト/時。

年間 20 ミリシーベルトまでは住民を帰す、というのは
この国の方針です。
ちなみにチェルノブイリは 5ミリです。
年間 5 ミリシーベルトまでは、住民を移住させる。
日本は 20 ミリシーベルトまでは大丈夫だと言って住民を戻す。

問題をもう一つ。
政府も「帰還困難区域」にしている、
つまり原発事故後 5 年経っても下がらないため、
帰還できないとする、年間 50 ミリシーベルトとは?
空間線量率だと何マイクロシーベルト/時でしょうか?
10 秒でお答え下さい。

さすがに政府は、
原発事故後 5 年たっても 50 ミリシーベルトを超えるところの
居住を禁止しています。
50 ミリシーベルトを超えないところは避難指示が解除されます。
では、年間 50 ミリシーベルトは、
空間線量にすると何マイクロシーベルト/時でしょうか?
正解は 9.5 マイクロシーベルト/時です。

私は見たことがない数字です。
ここに復興拠点を作ると言います。
大熊町と双葉町の真ん中に。ここだけ除染します。
ここに作業員や一部住民を住まわせて、
職場に行くと線量が高いから、
復興拠点に戻って息をつく、というような。

そんなことにお金をかけるんだったら、
大熊町を新しい場所に作ればいいじゃありませんか。
島根県であるとか、北海道とか。
奈良県の中にも、村ができるところはあるんじゃないでしょうか。
そのためにお金を使うべきでしょう。

【資料】
チェルノブイリ事故の際の放射能汚染の区分(土地)

第 1 区分 強制避難区域……居住禁止ただちに強制避難。立ち入り禁止。
土壌 22,769 ベクレル/kg以上
148 万ベクレル/㎡以上 (セシウム 137 40 キュリー/k㎡ 以上)
 空間線量 5.2 マイクロシーベルト/時 以上

第 2 区分 義務的移住区域……義務的移住の区域、農地利用禁止。
土壌 8,538~22,769 ベクレル/kg
55.5 万~148 万ベクレル/㎡ (セシウム 137 15~40 キュリー/k㎡ )
 空間線量 2~5.2 マイクロシーベルト/時
年間 5 ミリシーベルト超え

第 3 区分 移住権利対象区域……国家補償による移住の権利。
土壌 2,846~8,538 ベクレル/kg
18.5 万~55.5 万ベクレル/㎡ (セシウム 137 5~15 キュリー/k㎡ )
 空間線量 0.66~2 マイクロシーベルト/時
年間 1~5 ミリシーベルト

第 4 区分 放射線定期監視居住区域……不必要な被ばくを避けなければならない。
土壌 569~2,846 ベクレル/kg
3.7 万~18.5 万ベクレル/㎡ (セシウム 137 1~5 キュリー/k㎡ )
 空間線量 0.13~0.66 マイクロシーベルト/時
年間 1 ミリシーベルト以下

※ 1 キュリー/k㎡=37000 ベクレル/㎡=3.7 万ベクレル/㎡
※ 原子力安全委員会による換算式 土壌汚染( ベクレル/kg )×65= 土地汚染( ベクレル/㎡ )
※ 4万ベクレル/㎡という数値は、『放射線管理区域』(原子炉建屋など)の基準になる値。4万ベクレル/㎡
よりも高くなってくるとどんどん危険になるので気をつけなさいということ。
―筑波大学アイソトープ総合センター・末木啓介准教授
※ 土地 3.7 万ベクレル/㎡⇒土壌汚染 569 ベクレル/kg……ほぼ日本の『放射線管理区域』に相当 0.13μSv/h
※ 政府は、年間20mSvまで安全だと福島への住民帰還を進めています。

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(第12回終わり)

あーむずかったです。
でも難しいことは何もありません、
今回は「これはこのようになっています」
ということを飲み込む回です。
そして、日本がひどいということはわかる。

川根さんのまとめられた資料をたんまりつけました。
どうぞ、しっかりと読んでみてください。

さて。次回 第13回は書籍と資料の紹介です。
今後の予定について書きますと。。
その後 尿中のセシウム検査、保養と放射線防護のお話ですね。
で 第一部 終わり。
第二部が始まりまして
(ここで引かないように)
質疑応答です。
これがただの質疑応答じゃないですよ。
面白いというか 身を乗り出すのは
(引くんじゃなくて)
ここからです。
およろしく。

スタッフ・ふた

(おしらせ。
明日8月5日と明後日6日はブログ更新お休みいただきます。
ひろしまへ行ってきます。。
7日月曜をお楽しみに。)

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