日別アーカイブ: 2017年8月10日

川根眞也さん講演録〈第16回〉チェルノブイリ・エイズと保養の効果について 野呂美加さんの資料より

保養はあくまで予防です

野呂美加さんが講演で話されていることです。

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【汚染値で暮らす子供たちに何が起こっているの? 】
―チェルノブイリ・エイズ
放射能(外部・内部被ばく)による、抵抗力の低下
・子供たちは顔色が悪くなり体力が落ちて、走り回れなくなります。
・さらに、集中力がなくなって、授業は25分単位で行われています。
・汚染食品がもたらす胃腸障害で少量しか食べられなくなります。
・子供たちが集団で、具合が悪くなって
たくさんの村が閉鎖されました。
(子供が放射能カウンターがわり)
・目の下に大きなクマが入るようになります。
(甲状腺の機能低下)→すぐ疲れる。
・急激な視力低下が起こり、黒板の字が見えなくなる
→初期:移住の対象→後に救済放棄
・一見、風邪のような症状がずっと直らない。
風邪を引いてもすぐに肺炎など重症化する。
・精神的な落ちこみがあると、
重大な病気へ一気に傾く可能性があります。
・白血病、小児癌などは、氷山の一角。
そこに至る前に無数の「病気の花束」を抱えた
子供たちがいます。
・放射能に慣れる感じがする。
そして、忘れた頃に一気に、症状が噴出する。
・大人と同じように心筋梗塞(セシウム汚染)や脳梗塞、
骨粗鬆症(ストロンチウム)になる子もいます。
・放射能は母親から子供へ移動する。
二世、三世は生まれながらに病気を抱えている。
・放射能による抵抗力の低下は、
避難と食物の改善で抵抗力をあげる。
・頭痛薬・腹痛薬・風邪薬ではなおらない。
└───────────────────────────────────────────┘

こちらはチェルノブイリ・エイズと呼ばれている図です。

東京くらいの汚染で、半年から1年くらいの保養が必要です。
だけど甲状腺ガンのように、病名がついて
しまったらもう保養では治りません。
チェルノブイリのお母さん 100 人以上に
野呂さんが聞き取ったものをまとめると、
こういう症状が出ています。

┌─────────────────────────────────────────┐
【大人でもこのような症状はありませんか
次第に慢性化していきます。
―なかなか抜けない症状― 】

・めまい
・吐き気、嘔吐
・腹痛(胃のいたみをはじめとして)、食欲不振
・頭痛
・だるい
・下肢のむくみ
・唾液の分異常(口のかわき、にがみ、鉄や金属の味)
・急な衰弱(体力低下、疲れやすい、眠気など)
・皮膚のトラブル(傷が治らない、グズグズする、かゆみ)
・睡眠障害
・自律神経失調症
・心臓のいたみ、
・高血圧
・関節の痛み
・集中力の低下により、考えがまとまらない、
計算がしにくい、脱力感
・鼻血、
・耳鳴り
・風邪がなおらない
・皮膚のちりちり感
・高熱
・のどのいがら、甲状腺の腫れ
・消えない口内炎
医師は、こうした被ばく症状を体験していないので、
たいてい「風邪」「疲労」として、
薬を出されて終わりです。
あるいは、事故の精神的ショックと診断されるかもしれません。
それらも含めた上で、総合的に事態が進行していきます。
慢性的に放射能の含まれたものを吸入したり食べたり
(内部被ばく)、
土壌汚染のある地域に居住したり、
放射能に触れたりする(外部被ばく)と、
知らず知らずのうちに抵抗力が落ちていきます。
体調が戻りにくく、回復が遅いなと感じていませんか?
あるいは、
今までかかったことがないような病気や症状が出てきたな?

このような症状は、抵抗力をあげないと治りません。
―放射能が原因の頭痛は、頭痛薬を飲んでも治りません。

└──────────────────────────────────────────┘

●『子どもたちを内部被ばくから守るために
親ができる 30 のこと─チェルノブイリの体験から』
野呂美加著、筑摩書房、2011 年 10 月 10 日、952 円



保養の効果 ビフォー & アフター

これが、『チェルノブイリのかけはし』の
野呂美加さんのところで保養に来た子供たちが
保養18日後に、
尿中のセシウムがどのくらい下がったかというデータなんですね。
一番高い子で 0.89 ベクレル/ kg の子が、
0.268 に下がりました。
この子は福島の子供ではありません。
千葉県の子です。
食べているものによっては、福島の子供たちよりも、
千葉県のホットスポットの子の方が
放射能汚染されている、ということです。
保養によって 0.2 ベクレル/ kg くらいまで下がるらしいんですが、
0.2 以下にはなかなか下がらない、
ということも言われていました。

保養のおきて
野呂美加さんのFacebook 2013年12月16日 から
転載したものです。

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子どもたちを保養に招くときの警告(保養のおきて)
facebook 野呂美加さん 2013 年 12 月 16 日より転載
お互いが被ばくをしないように配慮すること
1)ついたらすぐにお風呂にいれて、シャンプーは2~3回
2)衣類・鞄などの持ち込み(着替え)をしないように制限すること
(衣類・靴は洗濯しても放射能がとれるかどうかわかりません)
3)受入側では、子ども達の衣類・靴などを用意して
保養中は「放射能から完全に遮断された環境」を用意すること
4)リサイクル衣類は関東・東北のものは使用しない
5)農産物、物資などの送付物に関しても、
あける時は表面のホコリなどで咳などが出ることもあるので、
室内であけないことが望ましい。
6)移住・避難の時は汚染地域から物品を持ち出さないこと
7)車の除染 タイヤの限界は 0.3μSv/時。
それ以上の車は進入禁止。
(ロシアは輸入禁止にしています)
8)食べ物などの持ち込みは禁止すること
9)お土産のお菓子などを持たせないように、しっかり言うこと
10)趣旨を説明することをおそれないこと

本当の信頼関係を築くことそのものが保養の意味でもあります
そして、このような環境に子どもたちや被災者を置いていることを、
魂に刻んで、差別にならないように配慮すること。

今でも放射能が降り注ぎつづけ、チェルノブイリの子供達を
受け入れていた時よりも、子どもたちの環境が悪化しています。

└──────────────────────────────────────────┘

野呂美加さん提供
2010 年 保養の効果
ビフォー&アフター

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(第16回終わり)

私はツイッターの情報をよく見るのですが
この連載に関わることが立て続けに流れてきました。

ひとつは、
昨日の「番外」、美浜原発について。
↓↓
山陰中央新報社|福井・美浜再稼働「実現させる」 
死傷事故追悼式で関電社長
http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1502276902176/

13年たっても癒えない悲しみ、恐ろしい記憶。
時が経っても事故を共有し
当事者に思いを寄せるだけでは済まないのです。
関西に近く、日本列島の真ん中あたりに位置する
美浜原発の再稼動という今からの危機に
(そう、危機です。しかも事故だけが危機なんじゃない)
私たちは向き合わなければならない。

あれは作業員の方のミスだけで起きた事故なのか?
違いますね。
ミスをされないようにすれば起きなかった事故なのか?
NO.
原発を動かしていれば
核を使っていれば
いずれ起きることです。
防ぐには
マニュアルを見直して勤務体制を強化とか改善とかして
再発防止に鋭意努める
とかじゃなく

とにかく動かすな

しかないでしょう。

関西電力あるいは関連会社の方が死傷された凄惨な事故
というだけにとどまらないことが起きるから。
その可能性が高いから。
深刻に。
しかも老朽原発?
絶句。

もう1つ。
今朝方のツイッターで流れてきました。

「福島原発敷地から汚染車外部へ 事故後460台、一部転売」
2011年6月、福島県内の警戒区域内から持ち出され、
スクリーニングされる車両
「東京電力福島第1原発事故の当日に原発敷地内にあった車両のうち、
社員の自家用車など約460台が外部に持ち出され、
一部は汚染されたまま中古車市場などに流通していたことが
8日、東電などへの取材で分かった。避難や帰宅に使われた後、
転売されたとみられる。東電は約3年間の追跡調査で、
国の基準値を超える放射線量が計測された約190台を回収したが、
残り約270台は基準値を下回ったとして回収していない。
2台は今も行方が分かっていない。
中古車として購入した所有者が被ばくする恐れがあることから
国は事態を重く見て調査を指示していた。
持ち出し台数が判明するのは初めて。」
福島原発敷地から汚染車外部へ 事故後460台、一部転売 –
共同通信 47NEWS
https://this.kiji.is/267699197215573498/amp

野呂美加さんが「保養のおきて」として
警告していることの(7)に当たりますね。
野呂さんは同時に、
「このような環境に子どもたちや被災者を置いていることを、
魂に刻んで、差別にならないように配慮すること。」
とも言っています。
被災地ナンバーの車が好奇と悪意の目を向けられ、
汚染車が市場に出回る現実。
野呂さんという1人の人と協力者たちが
心身を削るようにして気を配っていることと
逆のことが進んでいます。

新潟県元知事の泉田裕彦さんは
ツイッターでこのように
厳しく批判されました。
『「中古車として購入した所有者が被ばくする恐れがある」車を、
原発構内から持ち出し、汚染したまま流通させたことは、
経済優先で、組織として倫理観・安全意識が
欠如しているとしか言いようがありません。
規制委は、東電の体質とこの事態を
適切に評価して指導できるだろうか?』
(2017/8/10 08:41)

この辺りにも
川根さんの今年3月のご報告や
野呂さんの2013年のまとめを読む意味があると
思います。
数ヶ月、数年たってもなお
現在進行中なのです。

ではまた次回。

スタッフ・朝守双葉

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