日別アーカイブ: 2017年8月11日

川根眞也さん講演録〈第17回〉質疑応答編その1  どんな魚が安全でしょうか

〔第二部〕質疑応答

《質問:どんな魚が安全でしょうか》


こちらの図をご参照ください。

2011年 3月12日から5月1日まで、
放射性物質が非常にたくさん出たときですね。
積算線量ということで、茶色が濃いところには
10 万ベクレル/㎡が落ちています。
1 平方メートルは大きめの座布団くらいと考えてください。
それを外に出しておく。
本来はゼロベクレルです。
ところがこの 3 カ月外に出しておいたら、
1 メートル× 1 メートルの座布団で
10 万ベクレルになってしまう。
つまり、イチ、と数える間に10 万発のガンマ線が出てくるような
座布団になった、というのがこの茶色い地区ですね。
一番少ないところでも 100 ベクレル/㎡です。
茨城県では 3 カ月合計で 1 万 9300 ベクレル/㎡になったと。
福島県ではありません、茨城県です。
福島県は推定不能です。
宮城県もそうです。
岩手県盛岡市で、1420 ベクレル/㎡です。
そして、この半分以上はどこに落ちてますか。
海に落ちています。
この地域の魚は食べてはいけません。

10 半減期という言葉があります。
半減期というのは、無くなるという意味ではありません。
半分になるだけです。
ヨウ素 131 はあっという間になくなると言われていますが、
例えば 1000 ベクレル/㎡のヨウ素 131 があったとすると、
8 日間で半減期を迎えます。

3月12日、1号機が爆発したときに
ヨウ素 131 が 1000 ベクレル/㎡出たとします。
3月20日には 500 ベクレル/㎡になる。
そこから、3月28日になるとさらに半分の 250 になる。
4月5日にはさらに 125 になる。
こういうふうに減っていきますよ、ということですね。
あっという間になくなりますけれど、
それに対してセシウムは半減期は 30 年です。
ずーっとあります。
半減期というのは、2分の1になる時間のことです。
2分の1を 10 乗すると 1000 分の1になります。
10 半減期とは、
最初に出た放射性物質が
1000 分の1になるまでの時間ということです。

セシウムは半減期が 30 年だから、
30 年を 10 倍してください。
何年になりますか?
300 年ですね。
300 年たつと、ほぼゼロになる、ということです。
海に落ちたセシウムも。
わかりますか?
だから、2011 年から 300 年たつと、2311 年ですね。
すると、1000 あったセシウムが、1 になります。
放射能の専門家が、海は広いので薄まりますよ、
ということを言っていますが、
実は海にもたまる場所があって、
海のホットスポットができているのではないか、ということが
言われています。

魚はどこが危ないか。
太平洋一帯がもう危なくなりつつあると私は思っていますが。
では、今私は魚を食べていないかというと、食べています。
日本海も、旧ソ連が日本海で汚染物の海洋投棄をしています。
その影響が多少はあると思いますけれど、
調べてもそんなにたくさんは出てきてはいません。
石川県産、瀬戸内海産、長崎県産の魚などを食べています。

私が関わっている、
『飲食セーフティーネットワーク』と
いうのがあります。
ゼロベクレルの料理、食材を
提供したいというお店のネットワークです。
(ツイッター @inshokunet)
『飲食セーフティーネットワーク』に載っている
いくつかのお店は、魚料理を出しています。
それに半蔵門の『エリオ ロカンダ イタリアーナ』
という店があります。

(おいしい本格イタリアンレストラン『エリオ ロカンダ イタリアーナ』)
http://www.elio.co.jp/restaurant/


(ウェブサイトの写真より。海の幸のスパゲティ)

ゼロベクレルの料理を提供したいということで、
魚の放射能汚染を測っています。
魚の放射能汚染はなかなか検出が難しいんです。
どうするかというと、
オーブンを 60 度くらいの低温にして、
8 キロくらいあるカンパチなどを 8 時間低温加熱すると、
水が飛んで重量は8分の1か7分の1くらいになります。
その状態にしてからゲルマニウム半導体検出器※で
長時間測定します。

すると、0.1 ベクレル/ kg もない。
重量が7分の1になっていますから、
汚染度はその7 分の1、
つまり 0.01 ベクレル/ kg 程度という
測定結果を出すことができます。

ちなみに、なぜ『エリオ ロカンダ イタリアーナ』が
そこまで測定しているかというと。
もともと原発事故のときに、その店は
3月12日から2週間くらい
従業員に休みを取らせています。
関東圏からも逃げろ、ということで。
エリオ ロカンダさんはイタリア人です。
イタリア人はチェルノブイリを経験しています。
店が再開してからも、
魚もキノコも産地がどこなのか、
全部をお客さんのイタリア人は聞きます。
ひとつひとつ答えられないようでは商売できない。
じゃあ自分たちで調べようということになりました。
今のところ長崎県沖の魚からは数ベクレルも出ていない
ということなので、魚問屋から直接取り寄せているそうです。
またそこで、長崎県産の魚から出たということになれば
お知らせしたいと思います。

そのときは、私のツィッター
@shinchann2008 を見てください。

※ゲルマニウム半導体検出器

厚生労働省の定める公定法に記載。重量1.5〜2トン。
価格1500〜2000万円。
液体窒素または電気装置による冷却が必要。
長時間測定可能で、
0.0001ベクレル/kgまで測定可能。
(※この写真と解説は川根さんの資料より引用しました。
エリオロカンダのものではありません。〔編集〕)

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(第17回終わり)

エリオ ロカンダ イタリアーナ。

『日本はおいしい肉や魚が豊富で、
東京でおいしい食材を調達することは、
幸運にもさほど難しいことではありません。
流通も確立されているので溢れるほどの材料がありますが、
野菜についてはイタリアの味を再現するのに
適した野菜を選ばなければなりません。
大切なことはその選択にいつでも努力を惜しまないことです』。
(写真と文をウェブサイトより引用させていただきました)

選択にいつでも努力を惜しまない。。。
迫力を感じる一文です。
測り続けられるのは大変なことですが。
ウェブでは 放射能測定については載っていませんでした。
私がみつけられなかっただけかな?
もしみつけられたらご指摘ください。

ランチが1600円から3800円、
ディナーが5500から1万円。
東京に行ったなら頑張ってぜひ訪れてみたいですね。

「魚の放射能汚染はなかなか検出が難しいんです」との
川根さんのご指摘ですが、
私たちの測定所でもそうです。
2016年には北海道のするめいか、
オーストラリアのマグロ切り身、
高知の削り節、
北海道 歯舞の昆布、
2017年に岩手、宮城のわかめ
ぶりフレーク さば水煮を測定していますが
いずれも不検出。
(私たちのデータはすべて会員限定なので
ここだけの話です。。ひそっ)
2016年11月に宮城県の牡蠣を
「市民測定所西日本ネットワーク」での
海産物測定プロジェクトにて
ゲルマニウム半導体検出器で
測定することはできましたが
不検出。

不検出はありがたい結果ではありますが、
では どこへ?というのが正直な気持ちです。

川根さんが
「太平洋一帯がもう危なくなりつつあると私は思っています」
「海のホットスポットができているのではないか、
ということが言われています」
と ご指摘されたことを受け止めると
やはり測り続けるしかありません。
大変であっても。
エリオロカンダさんは大きなレストラン、
私たちは会員さまの支えだけが頼りの小さな測定所。
その違いはあれど
どちらも大変なのは共通ではないでしょうか。。
ぜんぜん違うんだけれどそりゃ。

次回も第二部 質疑応答編。
牛乳についてのご質問です。
牛乳は 給食のこともありますから
やはり気になるところではないでしょうか。。

ではまた次回〜

スタッフ・ふた

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