日別アーカイブ: 2017年8月16日

川根眞也さん講演録〈第23回〉質疑応答編その7 ●小中学生に対する放射能関連の教育 続き ●『カリウム詐欺』

こんにちは。ふたです。
今日は特別に1日二回アップとさせていただきます。
前回と同一テーマなので。
と、私事ですが
明日は朝早くからお出かけせねばならぬので
作業ができません。。
ブログお休みさせていただきます。
なので おつかれさまですが!
よろしくお願いいたします。

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《小中学生に対する放射能関連の教育について》

福島県ではどういった教育が行われているかといいますと、
「カリウム詐欺」の授業です。
天然の放射能で、カリウム 40 という物質があります。
バナナ1本食べると、13 ベクレルくらい入っています。
体重60kg の大人で、
体内に 4000 ベクレルはカリウム 40 の放射能が入っています。
どうですか、そう聞いて。
バナナにも放射能が入っている。
バナナを食べて寝られますか?
バナナを食べすぎるとガンになりますか?
カリウムをたくさん取りすぎてガンになったとか、
甲状腺ガンになったとか聞きませんね。

カリウム 40 とセシウム 137、ヨウ素 131。
これらは同じ種類の放射線は出します。
ベータ線、ガンマ線。
でも人間に対する影響は違います。
私は、天然放射能は安全だと思っています。
安全だというよりは、安全にするように、
生物はいろんな工夫をしている。
例えば、
カリウムというのは、カリウムの中に 0.01 パーセント、
放射線を出すカリウム 40 という物質があります。
カリウムっていうのは、
細胞を作るために絶対必要な成分です。
細胞膜を作ります。
我々の体じゅうカリウムだらけです。
そのカリウムの何パーセントかは
カリウム 40 といって放射能を持っているのですが、
このカリウム 40 の出すベータ線やガンマ線から
我々の DNA を守らなくてはいけない。
DNA とは生物の体の設計図ですから。
そのために生物がやっていることっていうのは、
その場所にとどめない、ということです。


〈ヒストンという 糸玉を作るのは、
自然放射能のカリウム40から出る
ベータ線、ガンマ線による影響を最小限にするため。〉

長い時間ずっととどめておくと、
ベータ線、ガンマ線が出ますね。
その近くにある DNA を傷つけてしまいます。
とどめなければいいのです。
どうやっているか。
細胞死、アポトーシスといいますが、
細胞が自動的に死ぬメカニズムが
私たちには備わっています。
で、細胞が死んで空きができます。
それを埋めるために横の細胞が細胞分裂をして
新陳代謝をするわけです。
私たちは、食べ物を食べながら、
同時に新しい細胞で体を新しく作っています。
みなさん、うんちは何だと思っていますか?
食べ物の食べかすだと思っていませんか。
うんちは 80%が水分です。
残り 20% の内訳は、
40%が腸の粘膜細胞がはがれ落ちたものなんです。
そして消化されなかった食べかすが 20%。
そして、あとの 40%が、
1日 24 時間で細胞がどんどん死んでいって
新しい細胞ができるので、体のあちこちの死んだ細胞です。
そうすることで細胞は同じ場所にカリウムをとどめない
工夫をしています。
だいたい 2 年間たてば私たちの体を作っている原子は
全部入れ替わる、と言われています。

だから安全な場所で、安全な空気、安全な水、安全な食べ物を
食べて保養すると、
子供たちの体は新しい物質に入れ替わるので、
セシウムが少なくなり、
健康を取り戻すことできるのです。
それを福島の放射線教育ではカリウム 40 を持ち出して、
こんなに放射能があるんだから
セシウムはこのぐらい大丈夫、という教育が行われています。
それが福島県の実態です。

ほかの都道府県はどうか。
副読本を使わずほったらかし。
放射線教育なんて理科の先生は知らない、というのが実態です。
そして埼玉県のさいたま市に変わった教員がいて、
そいつだけが放射線教育をやるべきだと言って、
セシウムの健康被害、
1.1 ベクレル/ kg でも危険だと言っている、
というのが実態です。

ただ、今回2月に新潟に行ってうれしかったのは、
2年前に私の発表を聞いた千葉の先生がいて、
以前私が持って行った岩波書店の
『調査報告・放射線被害の全貌』という
500 ページくらいある本を読破して授業をしたということでした。
しかし、その授業後、
子供には事情はよく理解できましたが、
保護者から抗議が来た。
あれ食べちゃだめ、この産地はやめてくれ、と
子供が言うんです、と。
その先生は、僕の授業を聞いてないから保護者には
わからないんだよね、と言っていました。

だから私も、
実は中学校3年生の最後の授業で
この放射線防護教育の授業をやります。
1.1 ベクレル/ kg食べても危ないと。
ウランやプルトニウムが舞い散っているような場所に行くと、
ほんとうに子供が奇形になるような内部被ばくをする危険がある
ということを、
給食が終わったあとの3年生の授業でやっています。
学校給食はどこの都道府県の自治体でも、
基本、地産地消なんですよ。埼玉県は埼玉県産小麦で
学校給食のパンやうどんを作っています。
で、埼玉県産の牛乳です。
だからこの授業は日常的になかなかしづらい。
私は食べてないし飲んでない。
子供たちは日常的に食べてるし飲んでいる。
決定権は子供たちにはありません。保護者にあります。
保護者が理解しないと、この現状は変えられません。
ずっと私は保護者に向けて、
この地域の食材は学校給食に使ってはいけないと
言い続けているんですが、なかなか変わらない。
保護者の運動が成果を結んでいない、というのが現状です。

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(第23回終わり)

学校という場、とりわけ公立では
いろんなことがあるのでしょう。
先生方は公権力のもとで
何ができるというのか。。
想像以上に難しいものがありそうです。

何もできない。。どうすればいいのか?と
思っているひとが
先生のなかにはいるかもしれない。
保護者・親の側にも。もちろん。
制約や圧力や萎縮だらけでも
伝えたいし伝えなくてはならない。
だから川根さんは今この活動をされているのでしょう。

そこに込めた思いを
次回第24回では語っていただくことになったようです。
『これからますます汚染が広がる中で、
私たちがどうしなければいけないか?
どう子供を守っていけばいいのか?』
というご質問に答えて。

次回もまた 1つの質問で二回連続になりそうです。。

ではまたねーーーん

スタッフ・ふた

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川根眞也さん講演録〈第22回〉質疑応答編その6 小中学生に対する放射能関連の教育は どのようにされているのでしょうか?

《小中学生に対する放射能関連の教育について

(質問)
〈小中学生(義務教育中で)に対して
副読本などを使い、放射線・放射能の教育が
大阪(特に堺市)でされるようになっています。
親の問い合わせをシャットアウトして、
隔離してなされていると聞きました。
このような教育は全国的にはどのような動きでしょうか。
そうした市のやりかたとは逆に、
先生方はこの世代に対して授業の中あるいは課外で
どのような教育をされていますか〉

(参考・編集より)
新しい放射線副読本:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/detail/1344732.htm

副読本というのは実際にご覧になったことがある方が
少ないのではないかと思います。
文部科学省が2011年に配った副読本がいつできたか、
といいますと、2010年にできています。
2030年までに日本の
エネルギーの 50 パーセントを原発でまかなう、
という方針が出ていて、
そのために放射線教育をやるということが
2010年から動いていて、できた副読本です。
そして「財団法人・日本原子力文化振興財団」に
丸投げをした副読本が最初にできました。

とんでもない内容で、
福島第一原発の事故に一切触れず、
エックス線やレントゲン、
ジャガイモの芽が出ないようにするための放射線照射、
そういった放射線の有効性についてだけ触れたものです。
ところがその後で 2014年にできたのが、この副読本です。
この副読本を作るために私は文科省と交渉しました。
横浜の教員と一緒に、
「放射線教育を考える会」というものを作りまして、
こういったことを入れろ、ああいった内容を入れろと
交渉しました。
だからこの副読本にはほんのすこしですけれども
いいところがあります。
保養の話が少し入っています。
そして、この副読本は他の団体に丸投げするのではなく、
文科省の担当者が、自分が全部書くと言っていました。
その方はある大学教授に、
保養について 1 時間半のレクチャーを受けています。
そして、福島の郡山市の子供たちの話で、
放射能で汚染されたところから離れて、
心身ともにリフレッシュする移動教室、という名前で
保養のことがこの副読本の中で紹介されています。

「福島県の未来を担う子供たちの育成に向けた取り組み」、
「この福島県の子供たちは日常生活に大きなストレスを
抱えています。子供たちがより良い環境のもとで
のびのびと学んだり遊んだりしながら
リフレッシュを図ることはとても重要です」
ということで、移動教室に参加しています。

もう一つは、
最初に放射能汚染地図を載せろと交渉しました。
事実として原発事故があったではないかと。
これでは原発事故がなかった国の副読本じゃないか
ということで批判したところ、
ちゃんとこういった放射能汚染マップが載りました。
ですから、この副読本を使って、ちゃんと放射能教育をやればいい。

ただし、この副読本の問題は
国の安全基準 100 ベクレル/ kg までは安全だから
食べろという内容になっているところです。
だからこの副読本を使いながら放射能汚染の実態を学び、
移動教室などの保養が必要なんだ、ということを教えながら、
100 ベクレル/ kg 以下でも危険なんだよという
授業ができることが最も理想です。

今年の2月に、新潟で組合の勉強会があったんですね。
理科教育の分科会で私が
子供たちを放射能から守る放射線教育をやろうと提案をしました。
2 年前にも同じテーマで発表をしています。
ところが、私が埼玉県のにんじんの汚染のことだとか、
ネコジャラシの奇形のことを話して、
こういったことをみなさんご存知でしたか?と、
30 人くらいいる司会者、共同研究者、発表者に聞いたら、
誰一人手は上がらないわけですよ。
簡単に言うと、今日お話をした内容が初耳だった人ばかりです。
ですから議論が成り立たない。
これが今の、組合レベルでの理科教育の実態です。

横浜では放射線教育を理科の教員だとか担当者を集めて
みっちりとレクチャーをしました。
5年前、2012年の2月。
なぜか。
横浜でセシウム汚染牛肉が学校給食で出たからです。
多いところでは3回使われてしまった。
なんでセシウム汚染牛肉が使われたか。
学校に食材を納入している業者に日本ハム系列があり、
それが警戒区域内の牛肉を大量に学校給食に
横流ししたからです。
そのために、
汚染牛肉を 3 回くらい食べさせられた小学生がいる。
セシウム汚染牛肉のことで
保護者から抗議や質問がくる、批判がある。
なので、このくらいのセシウムは安全です、
という内容で、
横浜市の教員を集めてレクチャーをやりました。
100 ベクレル/ kg までは食べても大丈夫なんだと。
それが横浜市の実態です。

(次回に続く)
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(第22回終わり)
次回 第23回は今回の続きです。
福島県でされている教育について
『カリウム詐欺』
など。

ところで。

みなさまの中には
もう こちらの本をお読みくださった方もあるかと
思いますが。。

私たちの測定所スタッフ、
すどうあいこさんが
ご自身の体験から書かれた一冊です。
(奈良・市民放射能測定所サイトトップに情報があります)

すどうさんは 横浜から2012年 移住されました。
それまで、
すどうさんとお子さんたちは横浜で
給食の問題に直面されていたわけです。
川根先生が今回の終わり部分で書かれたようなことに。

今回ブログを書くために読んでいても
私の胸にはふつふつと怒りがこみあげてきます。
ものすごく激しい怒りです、涙さえにじんできます。
いったい何でこんなことをするんや?
どうなるかわかっていたのか?と思います。
ないやろ、こんなん。
でもそれがあった。
すどうさんのお子さんは
「先生は僕たちがガンになってもいいのか!」と叫んだといいます。

すどうさんは聡明なひとですが
相当な勇気と思い切りで対処された。
こどもたちを守るために。
大変なことだったと思います。
その過程と
彼女とお子さんたちに何が起きたのかを綴られた一冊です。

川根さんは今回の講演で、
学校の側では何があったのかを
解き明かしてくださいました。

すどうさんはひとりの保護者として、
そして川根先生は教師として
学校という場でこどもたちのいのちを守ろうとされた。
違った立場から
このことに向き合われたおふたり。
どちらも体を張って。

なので今回の講演会 第二部では、
川根先生とすどうさんに並んでいただき
進行の私もその隣に
という構成にさせていただいたのでした。

会場のみなさまにはきっと
インパクトとともに受け止めていただけたのではと
思います。

にしても今
いただいたご質問に再び目を通させていただいていますが、
みなさまの心配やとまどいをきちんと取り上げて
解決できたのだろうか。。と
自分の仕事の不足に のたうち回る気分です。
その辺はどうぞ あああすみません なにとぞ〜

壊れてきたんでこの辺で。また次回〜
(全速力で歩いて立ち去る)