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市川章人さん講演録連載第17回(最終回)質疑応答

こんにちは。
時折 陽は射しますが、少し肌寒いような日ですね。

昨日の都内大規模停電。
このブログをお読みくださっている方のなかにも
とんだ不自由や大変な目に遭われた方があるかもしれません。
一時間後に全面復旧したと報道されていますが、
大丈夫でしたでしょうか。

原因には送電線が経年変化したためという可能性もあるとのこと。
高電圧に対応可能な太さ13センチもあるものだそうですが、
これと同じものが 原発の施設に使われていることはないでしょうか。
今回発火してしまったもののように、
長い年数、使われていたりはしないでしょうか。
原発自体が40年運転してきたわけです、
送電線はどうなのでしょうか。
停電、電源喪失、という言葉に芯からの戦慄を覚えますね。
(本日の掲載分の中で、市川先生は原発の高圧送電について
少し触れられています。)

重いテーマでくじけずに、
熱く かつ冷静に 勉強を続けてきましたが、いよいよ最終回です。
質疑応答部分をどうぞ。


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【質疑応答】

Q:大人のがんが福島で増えているのか、その情報はお持ちでしょうか。

A:(市川)僕のほうではそういう情報はないんですが。
入江先生、いかがでしょうか。

(入江Dr)がん登録が非常にずさんなので、それはわからないですね。
探してはいるんですが。
(市川)小児甲状腺がんだけは情報を出している、
出しておいて、被曝の影響とは考えられない、と言い張っているんですね。
(☆注)

将来に現れるがんを早めに発見したにすぎない、とまで言っていますね。
ではいくらぐらい先に現れるがんを発見したのか、というと、
74歳ぐらい、と言いますね。
70年も先のがんを本当に発見したのだろうかと不思議なんですけどね。
そういう医療関係は僕は専門家ではないのでなんとも言えませんが、
疑問を感じることはいっぱいあります。

→☆注・DAYSJAPAN 2016年10月号38ページ 小児甲状腺がんを追う③
「発表される福島の被害は正しいのか?」
「首相官邸ホームページが伝えた数字」…以下の記事が
参考になるかと思います。(朝守)

Q:リニアモーターカーの計画が進んでいますね。
リニアモーターカーは大量に電力を消費するということですが、
そのことを浜岡原発をこれからも稼働させる根拠にするつもりなんでしょうか。

A:リニアを動かそうと思ったらものすごく大量に電気がいりますね。
磁気浮上するという、原理は僕らにはおもしろいんですが。
そこで原発が必要だ、というのが彼らの理屈ですね。
原発の問題だけではなくて、リニアそのものの問題が多いですね。
トンネルが多いので環境破壊や、地下水の枯渇がある。
それから電磁波が人体に与える影響が日本ではほとんど解明されて
いないんですが、非常に強い電気を使うので、影響がありうる。
そういう意味では原発だけではない、これもまた問題だらけの技術です。
しかも、ちょっと移動時間が速くなるくらい。
何がいるんや?と思いますね。
これ以上急いで生活しなければならないのか。

原発は夜中も運転します。
稼働率をみると、原発は100%が基本です。
変化させると危ないですから。
夜も作られる電気を使わなければならない。
そこで、コンビニの深夜労働という、とにかく夜に電気を使わせる
仕組みが作られました。
そこらじゅうで無駄使いをしながら、夜も昼も働く社会が作られました。
リニアはさらに輪をかけるのか、という気がします。
そういう意味では、原発を止めることで、
もっと穏やかな社会になるのかなあ、といろんな意味で感じます。

Q:4月から電力の自由化が始まりますが、
消費者が電気を選ぶことができるようになることによって、
原発政策を変えることはできるでしょうか。

A:ただ言えることは、これはひとつのチャンスだということです。
それはアメリカが、いわゆる電力自由化のもとで
原発から手を引かざるを得なくなりましたね。
それが実は日本の東芝や三菱などが原子炉メーカーを傘下に収める
きっかけになっているんですよ。
日本で事故になったものだから、彼らは財政的に困っているんですね。
いずれにしても、自由化というのは、
原発の電気を安いからと今まで売ってきたことに対して大きな影響を与えます。
もちろん資本主義社会の競争ですから、
手放しに自由化されることがいいとか、あるいは関電以外ならいいとは
簡単にはいえませんが、少なくとも原発の電気は買わへんよ、と
関電には示したいなと。
もちろん本当に大事なのは、
自然再生エネルギーへの取り組みが広がることです。
私は今のところはとりあえず大阪ガスに切り替えています。
私の家の屋根には太陽光発電機を取り付けられないので。

いろんな電力会社が売る電気は、
必ずしも自前の電気ではないということにも注意しておく必要があります。
注文が増えて電気が足りないと、
やっぱり関電の電気を混ぜて売ることがあるので、
そこも注意してみておかないと、なかなか難しいところはあります。
ただ目的は、
とにかく原発を動かそうという流れに痛打を与えることですね。
そのためにどうしたらいいのかということは、
これが正解だということはいえない。
商品選びだけで話すと単純すぎるかとは思いますが、
最終的にはある段階では商品選びをやり、またその先で
自然再生エネルギーに切り替えるとか、いろんなことを含めて
議論して関電を困らせていけばいいのではないか、
という気はしていますけれども。
今お答えできるのはそのくらいです。
ただ、商品選びのやり方として、安いからこっち、というだけでは
不十分だと思います。
高くてもこっちを買う、ということもありえます。

Q:避難区域でPPAをなくしたということですが、
これは福島の帰還を勧めるということと関連するのでしょうか。

A:PPAをやめた理由としては、
表向きはSPEEDIの予測が不正確だからとしか言いません。
ヨウ素剤をなぜ飲ませないのかについても、
そういう議論をしている文章を全部繰り返し何度も読んでいくと、
非常にわかりにくい形でそれが書いてあった。
結局、その段階で飲ませてもだめだ、ということに尽きていると
いうことがわかりました。
彼らはほんとうに、そういうことをきちんと表には出しません。
福島の帰還への影響はどうか、というと、
もちろんそんなことは書いてありません。
全くそこはわからないですね。

Q:太陽光発電は高くつく、ということが宣伝されていますが、
自然再生エネルギーのほうが実は安いのではないかと感じたのですが、
実際はどうなんでしょうか。

A:僕も経済学の専門ではないのですが、少なくとも、
事故を処理するぶんを入れたら間違いなく、
飛び上がるほどに費用は上がりますね。
それから我々はいわば原発を維持するための費用を電気料金で
まだ払わされてるでしょ。だから、電気料金だけ見ていたら
安いように見えるけれども、その他の、税金でいろんな補助を
しているところとか、事故の費用を入れたら
間違いなく原発のほうが社会的には高くつく、と言えますね。

もう一つ、技術的に言うと。
原発の電気を作る場所は、遠方にありますね。
消費地からかなり遠いんです。
そうすると、送電の段階でむちゃくちゃロスが出る。
日本は送電のロスを減らすために、ものすごい高圧線にしたんですが、
それでもロスは大きいですね。
全国の原発を動かしても、原発6基ぶんくらいは送電のロスで
使われてしまうと従来から言われてきた。

地産地消で自然再生エネルギーをその場で使うというのは、
ある意味で経済的にも最終的には大きな効果を生むだろうと
言われています。現在の技術レベルで大量生産ができたら、
もっともっとコストは下がる。ドイツの例がそうなんですね。
太陽光パネルが普及していく中で、
取り付ける費用が下がっていくということもあります。
それは今後の展開でどんどん変わり得ます。
そういうことで、未来があるといえますね。

Q:先日ベルギーで起きたテロで、
ISが原発を狙っていたという計画が報道されましたが、
国家レベルのミサイルのようなものでなくとも、
もっと原始的な攻撃で原発に損傷を加えられる可能性はあるんでしょうか。

A:今回の、新規制基準に「テロ対策」というのがありますが、
あれは侵入を防ぐための強化を行う、というものです。
あるいは、何かあったらテロ対策用の場所を作るとかそんなようなものです。
本当にそれにどの程度の効果があるかということになると。
日本の場合は軍隊は動きませんね、
アメリカなんかは、原子炉の周りで軍隊が行動できるようにしてあります。
日本はそういう点でも非常に弱いだろうし、まして、ミサイルや飛行機と
いった国家的なテロに対してはまったく力はありません。
原発がテロの標的にされた場合にはものすごく深刻なことになる、
ということには間違いがありません。
侵入を必ず防げるか、についても、
日本みたいな、経験のないところができるかというと、
非常に大変ではないかと思います。

日本の原発は山に囲まれた湾に作ってありますね。
もんじゅは施設へ通じるトンネルの前で厳重な警戒をしていまして、
むちゃくちゃチェックされますが、
後ろの山から回れるんじゃないかと思って僕は見ていました。
フェンスなどは設置されるかもしれませんが、
本格的な作戦を取られた場合にそんなものは持つのでしょうか。
絶対に安全だとは思いません。

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ここで時間いっぱいになったので質疑応答は終了です。
施設を出て、測定所まで徒歩5分で戻り
あとは楽しい懇親会でした♩
市川先生を囲んで、さらに熱い!!トークが炸裂!

スタッフのおじさまが市川先生と同じ大学のご出身であったり、
代表の辻本さんと 高校の先生としてのさまざまな経験や
考えを語り合われたり。
もうめちゃめちゃ勉強になり、
すごい人たちがいるものだなあと。。。感じ入りつつ、
感動を覚えたのでした。

この知性。気力と熱意。疑問に感じたことや、
浮き上がった問題に切り込んでいく素早さと鋭さ。
執念といってもいいほどの粘り強さと、強靭さ。
そして、暖かさと優しさ。思いやり。
市川先生に私はそれを見ました。
出会われた方はみなさんそうではないかと思います。
たくさんの教え子さんたちを始めとして。

この場を借りまして、市川章人先生に心からのお礼を
申し上げます。
ありがとうございました。

そして、これだけの分量を読み通され、
私のつたないコメントにお付き合いくださったみなさまに。
ほんとうにありがとうございました。
どうかお役に立てられますように。

テキスト及び資料や図版の整理、編集はスタッフ・とり さん、
講演文字起こしと構成は スタッフ・ふたでお送りしました。
みなさまどうぞお元気で!

市川章人さん講演録連載第16回・【講演部分最終回】我々がやらなければならないこと

コオロギが鳴く秋の曇りの午後、
頭脳はまるで真夏のように暑いスタッフ・ふたです。
(今だけ。)
市川先生の渾身の語りの熱を受けたのです!

いよいよいよいよ講演部分最終回!
どうぞ。

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我々がやらなければならないことはいっぱいありますが、
この測定所の運動も非常に難しい運動のひとつだと思います。
難しいことではありますが、非常に科学的なデータを示す、
何かあったときのために絶対に大きな意味があるんですね。
何かあったら本当は困るんですが。
測定をずっとされていることが異変に気付くことでもあるし、
私もがんばりたいと思うんですが。
いろんな人に対して、問題の本質を明らかにして、
ほんとに自分たちで「あかん」ということを納得してもらう、
そういう状況を作る必要があると思います。

事故が起きたというのは非常に不幸なことなんですが、
一つ非常に重要なことも起きた。
それはまさに国民的な規模で、
自分で判断しなければならないという自覚を持つ人々が
増えたということなんですね。
この、原子核という難しい分野を学ぼうとする人々が、
僕のところへ勉強したい、と来るんですよ。
僕は30年間物理の生徒に、こんなに詳しくはないけれど、
この話は授業でしてきました。
でも、その30年分をはるかに上回る人々に、
原発事故後は話をさせてもらっています。
こんなことは未だかつてなかったことです。

あの戦争法のときもそうですが、
まさに民主主義の一番大事なスタイル。
これが進んでいるんだ、ということはやはり自信を持って
言うことができます。
そして我々は、嘘に頼る必要は一切ありません。
彼らには嘘と強行しかないんです。
そういう点では道理は我々にあると思います。

最後にひとつだけ述べさせていただきます。
実際にこれまで生徒たちに教え、
大学生にもゲストスピーカーとして教えてきたことなんですが。
ある非常勤で行っていた高校で、2月に国語の先生に、
子どもに原発の話をしてほしい、と言われたんですね。
思わず耳を疑いました。
国語の授業でやるんですか、と。
そうや、と。
大丈夫なのか、こっちが心配になりました。
そしたらね、「人災と天災」というテーマの読み物がある、と。
そのときに子どもたちに、
今やったら原発の話ができる先生がいるけど、聞いてみるか?って
言ったら、聞いてみたい、と言う生徒が圧倒的だったんで
やってほしいというんです。50分。
で、スライドを作って準備しました。

もちろん、反対、という立場を出すのが僕たちの目的ではありません。
子どもたちに考える材料を与えるためです。
自分でどう判断するかという材料を与えて、
反対という立場ではなくて事実がどういうことがあったとか、
科学的にどういう問題が明らかにされているのか、という
ことについて話しました。

あとで感想文を寄せてもらったんですが、
二年生の文系の生徒たちなんですが、それを読んだら
「僕らはだまされていたのか」、「報道管制がかかっていたんや」と。
僕はそんな言葉は使っていません。
おそらくその生徒はあのSPEEDIを発表しなかったことを
言っているんですね。
「今までは、わからへんからすぐチャンネルを変えていた」と。
「だけどこの問題は、
僕らが一番知らなあかんことだというふうに思った、もっと聞きたい」と。
それでもう1時間授業をしました(笑)。

翌年、一年生の国語の担当の先生が同じことを言ってきました。
それでまたやりましたら、同じことになりました。
もう1時間やったんです。
子どもたちは知ったら、「なんでこんな危ないもんを日本でやるの」と、
ほとんど全員がその答えになります。
こちらが押し付ける必要はありません。
だから、事実を伝えること。
具体的な事実を綿密に伝えていくことが非常に大事だろうと思っています。
みなさんの力も含めて、運動を広げていけたらと思います。

どうもありがとうございました。


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市川章人さんの講演部分はこれで終了です。
次回 連載の最終回にて、質疑応答部分を公開します。
いかがでしたでしょうか。
全体を近日中にサイトにアップさせていただきますので、
お役立ていただければと思います。

寒く感じる日が増えて 体もびっくりしているかもしれません、
どうぞ冷えにお気をつけください。

市川章人さん講演録連載第15回・福島で今、何が?

こんにちは。

先ほどまで私は、ツィッターのタイムラインで
新潟県の泉田裕彦知事へのインタビュー速報を読んでいて
はじかれたように、
今日のブログに取りかかりました。
ツイッターから貼り付けます。

↓↓↓↓↓

11.泉田知事
「政府の中には2つの力があります。
住民目線で考え直そうという力と、再稼働を求める力。
政府も一枚岩ではありません。
きちんと、フクシマ事故と向き合ってもらいたい。
避難をどうするかを指針に反映できていない」
(IWJ実況ch1、@IWJ_ch1)

お読みくださっているみなさまの中には IWJ
(岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal)
http://iwj.co.jp/
の会員になっておられたり、ツィッターをフォローしたりしておられる方が
あるかと思います。
一般的なマスコミからの情報が非常に政府側に偏っていることが
明らさまである現在、まさしくindependentである
IWJの発信は極めて重要だと思います。

前回、連載第14回では原子力災害対策指針の検証として
「国の『指針』は避難計画でなく被ばく計画」という
市川さんの指摘がありましたね。

長い間お読みいただいてきましたが、
講演録連載は 残すところあと3回の予定となっています。
では本日分、どうぞ。

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4.福島で今、何が?
高線量被ばく下で住まわせる日本
増える関連死と子どもの甲状腺がん
オリンピックまでに幕引きねらう棄民政策

福島で今起きていることについては、
チェルノブイリよりもひどい状態であると言われていますね。

いくつか事例を説明します。
これは2011年に仙台の人から僕のところへ送ってきました。
バラが咲きました、と。これなんです。
ものすごくでかくなって、緑色のものまで出てきている。
花びらというのはもともと葉っぱが進化したものですが、
このバラは遺伝子がいじられたとはっきりしていますね。
なんのせいか。
科学的な検証はいるかもしれませんが、
こんなものが原発事故の影響でなくてなんや、と。

ツバメの白い点、尾羽の問題。
これはニュースにも出て、先日もどこかでも報道していましたね。
ヤマトシジミの奇形とか。
私が直接聞いたのは、ドングリがだるま形になった、という人がいました。
それ置いてあるか、と聞くと、いや全部ほかした、と。
なんでとっておかないんだと怒ったんですが(笑)。

いろんな異変が起きてて、人間だけが無事なはずはないだろうと思うんですね。
牛の斑点、これは福島の牧場で直接見てきました。
事故後に生まれたものです。
斑点が出るというのはツバメと同じですね。

関連死が福島では一気に増えました。
半年ごとに復興庁のデータが出ます。
これが昨年、2015年9月のデータですね。
最新の、3月20日(※この講演の1週間前)のデータを
手に入れたんですが、福島民報という新聞をもらいました。
それによると2031人。まだまだ増えています。
これが単なるストレスだけとは思いません。
やっぱりいろんなことがあるだろうと思います。
自殺者も福島では増えています。ほかでは減ってきたんですが。

京都の日本科学者会議の人が言っているんですが、
1巡目検査と2巡目検査を比較しただけでものすごく増えてるよと。
これはスクリーニング効果だけでは説明できないだろうと。
つまり、調べ尽くしたから増えたんだとは言えないだろう。
2巡目で増えたということは、被曝の影響が出ているに違いないと
言っておられます。男女比の問題も発表されていますが。
自然状態の比に比べてはるかに多いという。

このあともいろんなデータが示すように、
被曝の影響がないとは言い切れない。
被災者の方が置かれている実態のひどさですが、
特に年間20mSvというのを問題にする必要が非常にあると思います。
もともと年間1mSvだと先ほど言いました。
これが法律で保証されていたのに、
福島の人々はこの法的にも守られないという事態になっているんですね。

年間20mSvを下回るのが確実だったらもう帰ってこい、
避難指示解除と言い出したんすね。
これは放射線管理区域の3.8倍に相当します。
大人も10時間以上仕事したらあかん場所で、飲食喫煙禁止。
白血病でさえ労災認定は年間5mSvです。
これの4倍以上でしょ。
こんなところで日常生活を送れというわけです。

国連も批判をしましたけれど全然聞きません。
『女性自身』(光文社、2016年3月22日号)にありましたが、
タイトルはこれです。
『福島「放射性物質土壌調査8割の学校で驚愕の数値が!』。
学校で、子どもたちがいる場所でものすごいことになってます。
チェルノブイリの被災地の中では強制移住とか、
移住の権利があるような場所が福島の中にいっぱいある、と
いうことですね。こんな事態が進行している。
未来のある、一番影響を受けやすい子どもたちや妊婦さんを生活させる、
ということを国があえてやっている。
暴挙です。

安倍内閣は昨年、この「復興の指針」なるものを改定しました。
簡単に言えば、東京オリンピックまでにすべて終わらせよ、
ということです。
なかったことにしてしまえ。
いわば、幕引きをはかる。
それが先ほど言われた、いろんなものをセットでやめること、
補助を打ち切るとかと一緒に行われます。棄民政策が今進行している。
本当に、考慮する必要があると思います。


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第15回、ここまでです。
最後部分で言われている、
「いろんなものをセットでやめる、補助を打ち切る」ことについて。

これもツイッターからなのですが、
@fukushima_kyoto さんがこの情報をあげられています。
↓↓↓↓↓

【お知らせ】
大阪で原発事故避難者のみなし仮設住宅打ちきり問題でお話をします!
: うつくしま☆ふくしまin京都-避難者と支援者のネットワーク
http://utukushima.exblog.jp/23279671/

↑↑↑↑↑
・日にち 10月15日(土)
・時間 9:30~11:30
・場所 あおぞらビル3階
    (JR御幣島駅11番出口すぐ)

とのことです。
ご都合のつく方、ぜひどうぞ。

では続けて最終回。
のちほど。

市川章人さん講演録連載第14回・原子力災害対策指針の検証(続)

どんより曇っていますが、本来とてものどかで美しいところ。
釣り人?の姿が見えますね。
でも、遠くに見えるのは美浜原発。
一番左の 大きいのが、三号機ですね。
その隣にふたつ並んでいるのが、廃炉と決まっている一号機、二号機。

ここからも、どこの原発からも
放射性物質など漏れださないでほしい。
今は運転が止まっているということだけが、せめてもの救いなのですが。

では第14回、続けて 避難計画について。どうぞ。


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京都の例ですが、モニタリングポストが31カ所にあるんですが、
うち14カ所は10μSv/hまでしか測れません。
それで何が問題になるかというと、
1時間あたり500μSvだと即時避難ですね。
もうひとつ、避難の基準があります。
20μSv/hが1日続いたら1週間以内に一時避難の指示が出る、と
いうものです。
これさえも、京都ではじゅうぶんでないところがいっぱいあります。
測れない。
奈良は4カ所ありますが、20μSv/hまで測れますので
それにはなんとか対応できますかね。

30km以遠の場所については次のことが問題になってきます。
緊急防護措置の除染基準としてベータ線が40,000cpm。
汚染された場合にその人の皮膚から数センチの位置で測った場合に
1分当たりにベータ線が四万本出るようなら除染しますと。
わけがわからないですね。
ヨウ素剤を飲ませる範囲が、50mSv/h(7日間の累積量)。
ベータ線が40,000cpmというのは、このだいたい6倍に当たります。
かなり汚染された人でももう除染をしないで、避難してもらうんです。
例えばそういう人が奈良に来たとします。例えば車ごと。
周りが汚染されてしまいます。失礼ですが。
政府のガイドラインは、そこら中に汚染を広げるガイドライン
でしかないし、被ばくした本人も周りも助かるようなことを
ひとつもしないという。避難計画ではなくて、被ばく計画です。

奈良は琵琶湖の水は使っていませんが、大阪はぜんぶイカれますね。
近畿一円の経済活動がぜんぶストップする可能性がある。
ヨウ素は1週間ほどは除去できないと思います。
これは滋賀県のデータから言えるのですが。
ペットボトルに水を溜めても、おそらく1週間分も備蓄できません。
例えばうちには孫がいますが、孫にペットボトルの水を飲ませて、
まあ僕は琵琶湖の水を飲まなあかんな、と思いますね。

そこで、せめてヨウ素剤を飲んでおきたい、という話になりますね。
30km以遠でもヨウ素剤を準備をしようとしている自治体が
いくつかあります。
すでに篠山市では自分たちでしっかり勉強しているから
すでに配ってます。
しかし京都の亀岡市は、せっかく買おうとしていたのに
PPAが廃止されたのでもたもたしています。
最近になってようやく買うとか言い出したようですが。
京都市は買ってはいるんですが、どうするのかと聞いても答えません。
ほんとに曖昧になってきています。
近畿一円のいろんな自治体でね、
ヨウ素剤を置く必要をわかってもらえるように話をしていくことが
非常に重要だと思います。


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避難計画について 二回連続でお届けしました。
今回の話題については、
守田敏也さんの著書
『原発からの命の守り方』(海象社)を併せて読まれたら
さらにわかりやすくなります。
そこから抜粋すると、ヨウ素剤は
「国内で買えば、ヨウ素剤は 2錠で10円ぐらい」(p198)。
「仮に4万人の町として全員分を購入しても、
一回分で40万円しかかかりません」(p241)。

ヨウ素剤の入手方法や飲むタイミングについて、
兵庫県篠山市の原子力災害対策についても
詳しいです。
測定所の残りあと2冊となっております、
ご関心あればお問い合わせください。

市川章人さん講演録連載第13回・原子力災害対策指針の検証【避難計画について】

こんにちは。
奈良では台風が過ぎ去り 秋晴れ!という青空が広がっています。
山のほうに雲はあるものの、爽やかです。
みなさま お子さんの運動会や 体育祭は無事に終わられたでしょうか。。

きのう、福井県美浜原発について大きな動きがありました。
〈美浜3号機の「審査書」了承、審査合格は全国で8基目|MBS 全国のニュース〉
http://www.mbs.jp/news/national/20161005/00000054.shtml
このニュースによると
「これで、再稼働の前提となる最初の審査に「合格」したことになります…
…今後、美浜原発の再稼働には、残る通常の審査に加えて、運転開始から40年を迎える前の今年11月末までに、老朽化対策の審査に合格する必要があります。(05日20:00)」
とのこと。

もしも本当に再稼働されたら。
事故の可能性がとてもリアルに、身に迫るように感じられます。
(講演録連載第10回「危険極まりない老朽原発」)

杞憂に終わることを願う一方で
実際に原発事故に直面してしまったならば
国がどのような対策をあげているのか。
第13回、どうぞ。

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3.原発事故!住民は?
国の「指針」は避難計画でなく被ばく計画
2015.4.22に「指針」をさらに改悪
せめてヨウ素剤を全地域に


これは一番大きな問題のひとつなんですが、避難経路の問題。
2012年に、原子力災害対策指針を、原子力規制委員会が出しました。
いざとなったら避難する範囲はどこか、あるいはその条件はどうか、
というガイドラインです。

まず、PAZ(Precautionary Action Zone)を5km圏内に決めました。
何かあればややこしくなる前に逃げるという範囲です。
もうひとつは30km圏内、
UPZ(Urgent Protective action planning Zone)。
これはいよいよことが起きたときにある一定の事態になったら逃げる、
という範囲ですね。ここまでが、住民避難をする場所です。

福島の事故では飯舘村が典型なんですが、そこは50km以上離れていました。
あそこにものすごい高レベルの放射性物質が流れてきましたね。
いわゆる放射性プルームです。
そういうものが来たときの対策も必要ということで、
もうひとつPPA(Plume Protection planning Area)
という概念ですね、
これはだいたい50kmを参考値として考えているんですが、
ヨウ素剤を飲ませる必要があるというふうに考える概念でもあります。

問題がいくつかあります。
ひとつは、30kmと決めたのは、実は狭すぎるんです。
だいたい福島原発事故並みの事故を想定しているんですが、
あれはあれで幸い止まった事故なんです。
もしも4基分の放射性物質がぜんぶ流れていたとしたら、
1400倍になります。
もっと凄まじい事故もあり得るんですね。

もう一つの問題。
避難するのは「7日間で100mSvを超える」と想定される地域。
政府のシミュレーションでは、そこを逃がすんです。
しかし100mSvというのは、どうですか。
この値自身がものすごいんです。
そんな値を超えないと、避難する地域に入れてくれない。
だいたい今の法律は、年間1mSv以下でないといけない、
ということになっているでしょ。

もう一点。これは専門家でないとわからないんですが、
データ処理を非常に意図的にごまかしているんです。
濃い値の線量のデータを外しています。
高い側から4%を抜く。
濃い方を外すので値がガーッと下がるんです。
そうすれば、うまく30km前後になるんですね。
データを外さないでぜんぶ入れたら、避難しなければならないのは
60km圏内になる。奈良で、高浜原発から96kmくらいでしたね。
もちろん、地震・津波など複合災害のことは考えていません。
使用済み核燃料プールについても考えていません。

そして、2015年4月の段階でこのガイドラインを改定して、
PPA、一番外側のラインをなしにしました。
そして、SPEEDIの予測が非常に不正確だから使えません、と
言い出したんですね。
今までこのコンピュータシステムのために
130億円の予算をかけているんですよ。
それを信頼できないからやめた、と。
同時にヨウ素剤を飲ませる区域もなくしました。

PPAはなくされましたが、
若狭の原発の30km圏内、UPZだけでも大変なことになります。
京都からものすごくたくさんの人間が
避難しなければならない範囲に入っています。
「被害地元」、ということで今我々はたたかっております。

実は政府の30km圏内のシミュレーションはどうも怪しいんです。
そこで、兵庫と滋賀は独自にシミュレーションを行いました。
このデータをご存知の方もあるかと思います、
大飯原発で事故があり、南に風が吹いたと想定したものです。
7日間で100mSvを超える地域は、
政府の基準でも避難しなければならない。
ところが、30kmをはるかに超えるところがそうなったんです。
滋賀県はUPZを43kmまで広げました。それでも不十分ですね。
100km圏内となると、奈良の最北端は生駒市で、届きますね。

兵庫県は大飯原発から30km圏内には入っていませんから、
ヨウ素剤を飲むべきPPAの計算だけをしました。
そしたら、兵庫県の41市町のうち38まで、
ヨウ素剤を飲むべき地域が出てくる。
そうすると、福井とか京都から避難していく先の場所から、
みんな逃げていくんです。
福井県から兵庫県に避難して来ても、兵庫県からも避難していますから
誰もいない、という。そういう事態が本当に起きるんです。
逃げる範囲を関西広域連合で相談しているんですが。
舞鶴から逃げる場合は、風向きを見て決めるという。
風向きが途中で変わったらどうするんでしょうかね。

原子力規制庁の資料によると、事故の段階は三つに分けてあります。
3まで行くと最終的には漏れる、大事故ですね。
原発から5km圏内は初期の段階でいろいろやっていきます。
「事態の進展」が進む段階に来るまでに、
逃げろという指示がくるわけですね。
これでも間に合わず、放射性プルームに追いつかれるかもしれないんですよ。
1、2ではなんの指示もない可能性がある。

問題はUPZ。
漏れた、つまり「施設外への放射性物質放出」が起きたとき。
そこで、さあ今から調べます、というんです。
漏れているのはわかっているんだけど、今から実測しますから待てと。
待たせて、1時間あたり500μSvを超えたら、
数時間以内に避難先を指示しますからそれまで待てと。
こんなふざけた計画です。
放射線をバンバン浴びた後でないと逃がしてくれない。
もちろん待たないで早く逃げるべきです。

そして30km以遠では、SPEEDIによる予測をやめて、
どうするのかというと実測値にすると。
その方が正確だから。当たり前ですよね。
問題はその次です。
その段階でヨウ素剤を飲んでも効果はないからやめます、と
言い出したんですね。屋内退避すればじゅうぶんだと。
これは逆です。
予測しないんだったら全員にヨウ素剤を配るべきです。
安いもんですから。

指針通りだとぜんぶ自己責任になっちゃうんですね。


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第13回 ここまでです。
次回第14回もどうぞよろしくお願いいたします。