トリチウムというやっかいな放射性物質についてまだまだいきますこっからです

こんにちは。雨のそぼ降る梅雨の朝です。奈良県の片隅より、お送りいたします。

4日ほど前の日曜日昼に盛大にやらかし、火曜の午後に訂正とお詫びをアップし、木曜の朝にAndroidタブレットに向き合っている、スタッフ・ふたです。こんなやつの書くブログを訪れてくださりありがとうございます。

えーと、お読みくださってる方の中には、「なんかあったの?いったい何が起きたのか、わかんない。。」という方と、「やりよったなあこいつ、よーやるわ」、と思われる方と、そして、「どっちでもいーよ」と思う方と、みっつくらいいらっしゃると思います。

なので、振り返りますね。このしつこさというか執拗さ、執念深さがふたの特徴です。もしこれがツィッターなら、この瞬間にフォロワーはガタ減りしたことでしょう。ブログでよかった。はっ、同じか!

1. ふたは経産省のパブコメを書くことにチャレンジし、「トリチウムは放射性物質ではない」という暴言を吐き、そのまま公開した 2.即刻、奈良crms(市民放射能測定所)辻本代表や専門家のスタッフより指摘が入ったがふたがそれに気づいたのは二日後の夜だった  3.ふたはとりもなおさずブログの該当か所を訂正、お詫びと公開 4.さすがにあまりにひどすぎる間違いに自分でもあきれ返り、何でこんなことになったのかをつくづくと考え、これは落とし前をつけねばなるまい。。と(周囲にわめき散らしながら)沈思黙考した。⬅️イマココ

「落とし前をつける」というのは、この場合は小指をどうとか、ではありません。辞表を出す、でもありません。だいたいが非正規社員ですらないボランティアスタッフですから。しかもふたの場合は測定そのものには関わっていないので(それで良かった、と心底思う。。)、辞表はおろか始末書もありません。ボランティアってのは自主的なものです。やる動機は人それぞれです。私の場合は、「福島原発事故で何が起こり、それが私(と世界)にもたらすものは何なのか」を知りたい。それだけです。なので、これからやるべきことは明白ですね。

ちゃんと勉強し直すことです。

ちなみに、みなさまもうおわかりだと思いますが。ふたは、物理と化学と数学が圧倒的に苦手です。もう、無理です。脳に何かの欠陥があるんじゃないか、と思うくらい、絶望的にできません。私の知人が昔、自分の彼女がいかに頭が悪くかつ可愛いかを言い表すのに「分数の掛け算ができないモトやん」と語っていたものでしたが、私は、数学的センスの欠如という点においてはモトやんに勝てる、と思います。たぶん。可愛さでは勝てないんでしょう。いや、どうでもいいですから。

そんな私ですが、やってみる。やってできないことはない。たぶん。

てわけで、もう一度、京都・市民放射能測定所さんの『設立6周年記念講演集 原発は事故がなくても危険』(500円)森永徹医学博士の講演記録を読みます。

ただちに読みます。ではみなさん、しばしさようなら。

ふたに不足していたのは、この、とにかくじーっと読む、という時間だったのね。。ふむふむ。。

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ただいま。耐えきれずに帰ってきました。

だって、わからない‼️

どこが?何が?これです。書き写して引用します。

『ここで、「トリチウムとは何か」についてお話しします。

普通の水素は陽子と電子が1個ずつです。重水素というのは中性子が1個ついています。そして三重水素のことをトリチウムといいますが、これは中性子が2つ付きます。ですから、トリチウムでできた水だと、その水自体が放射線を出すということになります。』

水素に中性子がつく、っていうのがわからない。。ついてる、って何?

森永先生の講演使用画像の出典元、
村上茂樹「原発ミニ講座 第2回 トリチウム」YOUTUBEより。

えーと、とにかく、ついてる、のね。そういう構造だってことをとにかく飲み込む。

そして、森永先生はこの図を出典を記して「(三重水素トリチウムは)放射線を出す(ベータ線) 水自体が放射能」という文字を加えられて(講演のパワーポイントで)使われています。

で、それでだよ。(がらりと変わる)

はっきり書いてあるじゃん。トリチウムは放射線を出す水素だって。ベータ線出してくるって、それ放射性物質じゃん。それなら私にもわかる。いやむしろなぜそれが14日にはわからなかったんだろう?ふた切腹しろよ、もう。いったいどうやったらこれを読み落とすんだ?自分がわからない。つまり資料を斜め読みしたんですね!もう恥ずかしくて、地球の裏側までもぐる!世界の中心で「トリチウムは放射性物質だバーロー」と叫ぶ!(何重もの点で、古っ)

つまりトリチウム 三重水素、は私の思ってる「水素」じゃない。どうみても違う。ぜんっぜんちがう。図で見た通りの構造なんですね。実物見たことないけど。

なんで、構造の違う水素があるの?構造が違うのにそれも水素なの?

わからないけどとにかく飲み込む。これはセンスの問題だと思うから。トリチウム(三重水素)は水素の同位体なんです。次いきます。

で、なんで、トリチウムってあんの?それどっから来たの?教えて、森永先生❗(はい)

ではなぜ、原子炉でトリチウムができるか。

「制御棒ボロンと中性子の反応」です。ボロンとはホウ素です。ホウ素は中性子を吸収しますから、制御棒を入れたり出したりすることで、反応速度の調節ができます。それから、1つだけ中性子を持っている重水素は、原子炉からの中性子を貰えば、トリチウムになります。さらにウランの三大核分裂で、ウランが3つに分かれるときに、そのうちの1つがトリチウムになります。これは、原爆の爆発と一緒ですね。

ボロン。。誰?敵方キャラの名前みたい。。ん、boronホウ素ね。オッケー、続き。

なぜ「加圧水型」が「沸騰水」型よりトリチウムの放出が多いのか?….制御棒は急速に運転を調節する場合に使われますが、化学的調整剤としてゆっくり調整するために冷却水中に混ぜて使います。

福島第一は沸騰水型。加圧水型よりはトリチウム放出量は少ない。加圧水型の中でもトリチウム放出量が全国一多いのが玄海原発。そうなんだということを頭に置いて、今は先へ。

再び読みます。

森永先生講演会資料コピーのスクショ。見えにくい画像ですみません。

「外部被曝」というのは、外側から放射線が当たるものですが、「内部被曝」というのは、食べ物や飲み物、吸い込んだ空気から体の内部に入った放射性物質が放射線を出して、内部を被曝させるというのが「内部被曝」になります。…. 

13は、アメリカの『サバンナ川流域労働者の白血病死亡率』という論文です。このサバンナ川というのは、原子力施設が集積しているところです。ここの労働者の白血病の死亡率について書かれています。電離放射線の放射線量は、外部被曝です。内部被曝については、トリチウム摂取による内部被曝に着目して研究したと言っています。 

           

トリチウムは内部被曝させる

さらに。トリチウムがベータ線を出すという問題について。

15は、広島の被爆者の臓器内の内部被曝の顕微鏡写真です。この黒い線が、ベータ線が飛んだ跡です。放射線が細胞に当たっています。ほんのちょっとしか飛ばなくても、細胞というのは非常に小さいので、ダメージを与えることになります。

(パワポ15 内部被曝では、飛程の短いα線やβ線でも細胞を損傷する)

それから、「放射線の生体への直接作用・間接作用」というのがあります。放射線が直接DNAにぶつかって、DNAを変えてしまうというものです。

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ここからご講演のなかみは、森永先生が自ら研究、学会発表された「玄海原発と白血病の関連の検討」の内容、有機物結合型トリチウムの害へと移ります。このあたりは13日のブログ「6月15日(月)締め切り経産省パブコメを出すために、トリチウムについて勉強しよう。」と重複しますので省略します。

もうひとつだけ気になったところを引用します。

先ほどのサバンナ川流域での研究だと、トリチウム被曝から白血病死まで3年のタイムラグがあるとの指摘があります

三年ね。それ以上の長いスパンで見ていく必要があるということですね。

まだまだ講演記録の内容をお伝えしたいところですが。

今回ブログで取り上げるポイントはとりあえずこれ。⬇️

トリチウムは水素の同位体であり、トリチウム水自体がベータ線=放射線を出す。トリチウムは放射性物質である。

入りました。もう間違えません。みなさんも間違えないでくださいね。僭越ながら。

あー疲れた。くたくたです。おなかがすいて血糖値が下がって頭と目がボーッとしてきました。もう思考力がないのでブログ公開します。…って、やっちゃってはまた14日(日)の失敗の二の舞なんですよ。

前回の失敗がなぜ起きたのかを考えるに、いろいろ原因が重なってはいます。ひとりでうちで作業してる、のもそのひとつです。測定所でおしゃべりしながらやってたら、この化学数学物理学が壊滅した私(モトやん状態と呼ぶ。会ったこともないモトやん、すいません)であっても、辻本代表やMr.Tのおしゃべりを聞くともなしに聞くうちに「門前の小僧、習わぬ経を読む」ってやつで、トリチウムはベータ線を出す、トリチウムはベータ線を出す、トリチウムは放射性物質、トリチウムは放射性物質、とこうスラスラーッと🎶書けていたのではあるまいか。

そういう小僧になってみたいなー、というあなた。測定所にあそびにきてね。

それにしてもひとのあたまってどうしようもない。ベータ線を出すってそりゃ放射性物質だろ。なのになんで、そうじゃない、って思い込むんだろう?水素だから。セシウム、ストロンチウム、みたいないかにも禍々しいイメージで入ったものが「放射性物質」で、水素はふつうに水素だっていう思い込みが私にはありました。元素には同位体があり、同じようでもあるものはベータ線を出すという決定的な事実がわかってなかった。

水素ってまったくそれ、どっこにでもあるじゃん。地球じゃん。でも同位体は放射性物質。。地球って、わからない。どうして、生物に必要不可欠な普通の水素(それが99.985%という)と、三重水素みたいな、こんな悪さをするやつがいるんだろう?

そんなふうに、化学物理学は奥が深い。

けれど。今問題になっているのは、人間が関知できない自然現象のことじゃない。

森永先生が講演中で指摘された「制御棒ボロンと中性子の反応」で、原子炉でできたトリチウムのことです。

人為的に動かした原子炉で発生したものを、生命に害があるとわかっていながら研究結果を無視して、海に流してしまおうとしていることです。

そして、私たち国民に対して、政府も電力会社も、トリチウムの害を隠しているということです。だまされないために勉強しなくてはならないのです。正しく伝えてくれるのは、命を守るという強い意思と情熱に裏打ちされた、市民の努力でもってなされた仕事だけです。

最後にもう一度、森永先生の講演記録から引用します。

本当にトリチウムは「新陳代謝などにより普通の水と同じように排出される」のでしょうか。

トリチウムは通常の水素より中性子が2つ多いだけで、科学的な性質には変わりがありません。しかし、中性子が入った分だけ重さは増加します。普通の水素でできた水の分子量は18ですけれども、両方ともトリチウムだったら分子量は22になってしまいます。ちょっと重くなるだけで、ほかのことは全然変わらないので、タンパク質や脂肪、それから、遺伝情報を詰め込んだDNAなどにも取り込まれてしまいます。

分子量、というあまりに小さくてそれはもはや学問の世界の知識レベルなんだけれど、命そのものにやがてはつながっていく重大なこと。知らないといけない。

ここで私はジャーナリスト守田敏也さんの言っていたことを思い出すのです。「市民が科学を取り戻さなければならない」と、守田さんはおっしゃっていました。科学とは知識層の独占物じゃなく、ましてや政府にいいように利用されるものじゃなく。

私はときどきそのことばを思い出しては考えていました。私たちはだいたい、科学を「持っていた」といえるのか?持っていなかったものを、「取り戻す」ことはできるのか?持ってなかったけど奪還するというなら、そりゃ革命だ。革命には好き嫌いがあるかもしれないけれど。。

今日、この長ーいブログを読んでくださり、自分の頭で考えてくださったあなたは、まさしく「科学を手にした人」といえるのではないでしょうか。こういう地道なことが、市民が科学を手にしていく過程のひとつで、母数をおっきくしていく。そうすることによって私たちは、こどもたちや大切な人たちの命を守ろうとしているので。

たくさんのひとに、「科学を手に」してほしい。

これからも、どうぞご一緒にいてくださると本当に嬉しいです。

お読みくださりありがとうございました!

また数日後にお会いしましょう。

スタッフ・ふた

追記・興味のある方はこれも読んでね❗わかった頭で読むととてもスッと入るよ。

★今回私が間違えたことへの辻本代表による指摘。奈良CRMS第7回会員総会資料の「はじめに」の部分に書いてありました⬇️

【トリチウムは水素の放射性同位元素です。物理的な半減期は約12.3年で、ベータ崩壊し、電子を放出し、ヘリウム3になります。従って、トリチウム汚染水は大型タンクに120年以上備蓄し、線量が減衰するまで保管するのが現実的な処理方法だと言われている訳です。トリチウムが遺伝子の通常の水素原子と入れ替わることによってベータ崩壊でヘリウムに変わり、遺伝子の化学結合を直接的に切断するという仕組みになっています。】

★スタッフMr.Tからもとても興味深い解説をいただいています。イメージの言語化がクリアーで面白い(ゾッとする事実ですが)ので公開❗(許可済み🎵)⬇️

【トリチウムは厄介な放射性物質です。先日もお話しましたが、原発の、特に軽水炉と言われる型の場合、普通の水が、冷却材=核反応熱の媒体、減速材を兼ねていて、正常運転でも環境に放出せざるを得ない唯一の放射性物質です。
もちろん、ほんの少し、ガス状でしか存在しえない希ガスのクリプトンやキセノンなども放出、該当しますが、これらは量的には通常は無視できます。しかし、トリチウムは水素ですから化学反応性もあり、軽水分子の一部を乗っ取ってHTOと化し、これが福島原発の汚染水タンクに1000兆ベクレル以上蓄積しているようです。水素原子は「炭化水素等」といわれるように有機化学物質の中心に位置します。1番元素で小さいので小回りが利きまして、どんな細胞にも拡散しますが、その役割は遺伝情報を担保する核酸分子のように水素結合という形で、人体内の分子同士を結び付ける役割を持っています。いわば、人体内の細胞にある成分同士を結び付ける釘の役割を持っています。この水素結合したトリチウムがある日、突然、化学結合不可能なヘリウムに放射性壊変をして化けるのですから、釘が突然外れた柱のようなことになります。ダメージが生じます。
 このような次第で正常運転中の9基の原発からも絶えず、今この瞬間にもトリチウムは副生、放出され続けています。つまり、原子力発電プラントの設計段階でトリチウム以外の放射性物質は、事故時以外にはほかの放射性物質は環境から遮断されるのが原則ですがトリチウムだけはどんな設計をしたところで処置なしなのです。つまり原発は電力と熱という形而上の産物だけを環境に提供する存在のように喧伝されますが、実はそれには恐るべき例外が一つあり、それがトリチウムということです。これはほとんど世間には隠蔽状態となっている事実です。】

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